研究課題/領域番号 |
21K15476
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分49070:免疫学関連
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研究機関 | 公益財団法人かずさDNA研究所 |
研究代表者 |
菅野 敏生 公益財団法人かずさDNA研究所, 先端研究開発部, 特任研究員 (90849291)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | CD4 T細胞 / 脂質代謝 / 抗ウイルス応答 / SCD2 / STING / cGAMP / インフルエンザウイルス / 免疫学 / cGAS-STING / 脂質合成 / T細胞 / 免疫 / 脂肪酸 |
研究開始時の研究の概要 |
脂質合成の律速酵素ACC1の遺伝子欠損によりT細胞依存的な抗ウイルス活性が増強されることが予備的実験によりわかっている。興味深いことに、この抗ウイルス応答の増強には、 細胞内の核酸を認識する機構であるcGAS-STING経路の活性化が不可欠であった。cGAS-STING経路は抗ウイルス応答性のI型IFNの制御を担うことで注目されている一方で、脂質代謝を介したcGAS-STINGの制御機構については不明な点が多い。本研究では、「どのような脂質」が「どのようにしてcGAS-STINGの制御」を行うかに着目をして、新規抗ウイルス制御機構の解明を目的としている。
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研究成果の概要 |
これまでに、T細胞の脂質代謝経路の制御により、抗ウイルス応答が誘導されることを明らかにした。本研究案では「脂質代謝による抗ウイルス応答の誘導機構の解明」を目的としている。 進捗・結果は次の通りである。1: CRISPR/Cas9による遺伝子編集および高精度リピドミクス解析を用いて、抗ウイルス応答の誘導には、一価の不飽和脂肪酸の欠乏が大事であることがわかった。2: 脂質代謝の制御により、細胞内ウイルスセンサーSTINGを活性化するcGAMPが増大することがわかった。3:項目1で同定された一価不飽和脂肪酸の合成酵素の阻害剤が、インフルエンザウイルス感染へのマウスの生存率を改善することがわかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
I型IFNは抗ウイルス応答に重要なサイトカインであり、自然免疫系の細胞より多く産生される。今回我々が見つけた現象として、脂肪酸代謝の制御により獲得免疫系のCD4 T細胞からI型IFNが産生されることを新たに見つけることができた。また我々は、ウイルスは自身を複製するのに宿主の脂肪酸を利用することにも着目をしている。そのため、究極的には、本研究成果をさらに発展させることで、脂肪酸代謝の調節により、 I型IFNを高産生するT細胞の誘導を促すとともに、ウイルスの複製に必要な脂肪酸を断つ、生体に二重の作用を及ぼす新規抗ウイルス薬の開発ができると考えている。
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