研究課題/領域番号 |
21K15481
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
|
研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
佐藤 茉美 新潟大学, 日本酒学センター, 特任助教 (40893235)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
|
キーワード | xCT / シスチン / フェロトーシス / 4F2hc (CD98) / がん / 転移 / cystine / tumor metastasis / CD98 / integrin |
研究開始時の研究の概要 |
近年、がん治療の化学療法における新たな標的になりうる分子として、アミノ酸輸送系のひとつであるシスチン/グルタミン酸輸送系(xc-系)が注目を集めている。がんの病態への関与として、主に酸化ストレス保護作用の面から研究されてきたxc-系について、本研究ではxc-系を構成するxCTとCD98の複合体、さらにCD98との相互作用が報告されている接着分子インテグリンに着目し、がんの転移制御におけるxc-系の役割を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
ヒト線維肉腫由来細胞HT1080において、シスチン/グルタミン酸輸送体xCTの遺伝子欠損および過剰発現により、親株に比し血管内皮細胞への接着能と三次元培養系における増殖能が低下した。このメカニズムには、細胞間接着を担うN-カドヘリンの発現低下が関与する可能性が示唆された。また、フェロトーシスの制御因子でもあるxCTの機能阻害によるがんの転移制御について検討する目的で、xCTの阻害効果が知られる分子標的薬ソラフェニブのxCT阻害特性を検討した。その結果、ソラフェニブのもつ細胞死誘導効果はxCTの発現に依存せず、また誘導される細胞死はフェロトーシスによるものではないことが明らかとなった。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
研究者らはこれまでにマウスメラノーマ細胞におけるxCT遺伝子欠損(xCT-KO)が転移能の低下と関連することを示したが、本研究でヒト由来がん細胞においても同様の結果を得た。そのメカニズムとして、細胞間接着の低下によることを示唆した。この成果は、xCTの役割として注目されてきた酸化ストレスからの細胞の保護に加え、新たにxCTと接着因子との関連性を示した点で意義がある。
|