研究課題/領域番号 |
21K15483
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
新井 祥子 金沢大学, がん進展制御研究所, 博士研究員 (80824870)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 薬剤耐性 / ALK肺がん / 中枢神経系転移 / 薬物耐性 |
研究開始時の研究の概要 |
髄膜がん腫症や脳転移などの中枢神経系(CNS)転移は肺がんの20~30%に発症し、患者のQOLを著しく低下させる危篤な病態であるが、CNS転移が耐性獲得による病勢増悪の場となることが多く、CNSにおける耐性の分子機構解明やCNSにも有効な分子標的薬の開発が特に注目されてきている。本研究では、ヒトALK肺がん細胞株をマウスの髄腔に移植したモデルにおいてロルラチニブ耐性を誘導し、得られた耐性株を用いて耐性機構を解明することを目的とする。さらに、耐性因子の阻害薬を用い、髄膜がん腫症モデルにおける治療効果を検討する。また、耐性因子の臨床検体における発現を検討し、その臨床的関与を明らかにする。
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研究成果の概要 |
髄膜がん腫症(LMC)における第2世代ALK-TKIであるブリガチニブの耐性機構解明および新たな治療戦略の発見を目的とし、マウスLMCモデルにおいてブリガチニブ耐性を誘導し、耐性株であるBR細胞を樹立した。429のkinase inhibitor library を用いた結果、BR細胞においてブリガチニブと併用してSRCを阻害することにより耐性を克服できることをin vitroにおいて示した。さらに、in vivoにおいてブリガチニブとSRC阻害薬を併用することで腫瘍の再増大速度を有意に抑えることを示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
髄膜がん腫症や脳転移などの中枢神経系(CNS)転移は肺がんの20~30%に発症し、患者のQOLを著しく低下させる危篤な病態であるが、CNS転移が耐性獲得による病勢増悪の場となることが多く、CNSにおける耐性の分子機構解明やCNSにも有効な分子標的薬の開発が特に注目されている。本研究では、ヒトALK肺がん細胞株をマウスの髄腔に移植したモデルにおいてブリガチニブ耐性を誘導して得られた耐性株を用いて耐性機構を解明するため、in vitroの培養により誘導した薬剤耐性とは異なり患者と同様の生体内における薬物動態や血液脳関門を含む脳微小環境も反映した耐性機構の発見である。
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