研究課題/領域番号 |
21K15488
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 徳島大学 |
研究代表者 |
三橋 惇志 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(医学域), 特任助教 (00833732)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
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キーワード | 免疫チェックポイント阻害薬 / 血管新生 / CXCL10/11 / がん / 肺がん / ケモカイン |
研究開始時の研究の概要 |
固形がん治療においてPD-1およびそのリガンドであるPD-L1を標的とした免疫チェックポイント阻害薬は優れた治療成績を示しており、その作用機序および治療効果予測因子の探索に関する報告が数多くなされている。本研究に際して申請者は、免疫チェックポイント阻害薬と腫瘍内血管との関連性に着目し、抗PD-L1抗体による治療感受性を示したマウス腫瘍皮下移植モデルにおいて、未熟な腫瘍内血管が増生する所見を新たに発見した。本研究では、免疫チェックポイント阻害薬の血管新生制御を介した新たな腫瘍抑制機序について解析するとともに、新規バイオマーカーの探索を目的としている。
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研究成果の概要 |
進行固形がん治療において抗PD-L1抗体等の免疫チェックポイント阻害薬は優れた治療成績を示しており、その治療効果予測因子の探索が求められている。本研究では、マウスモデルにおいて抗PD-L1抗体による腫瘍縮小効果を示した組織では血管新生が抑制され、血中において血管新生阻害作用を有するケモカインCXCL10/11の発現が亢進していることが明らかになった。これらケモカインの受容体であるCXCR3の中和抗体および、腫瘍細胞におけるCXCL10/11のノックダウンで抗PD-L1抗体治療感受性は低下した。臨床肺がん症例においても、血中CXCL10/11濃度が抗PD-1抗体の治療効果と正の相関性を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
免疫チェックポイント阻害薬は進行がん治療において中心的な役割を担っており、その治療効果予測因子を同定することでがん免疫療法の分野における個別化医療の進展が見込まれる。さらに、腫瘍細胞由来ケモカイン発現を中心とした治療耐性化メカニズムの同定を目的としており、耐性克服に向けた新規複合がん免疫療法の開発が期待される。また、腫瘍免疫と血管新生の関連性における新たな知見が認められ、学術的な進展にも寄与すると考える。
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