研究課題/領域番号 |
21K15510
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
松下 大輔 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 助教 (10724205)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 3,770千円 (直接経費: 2,900千円、間接経費: 870千円)
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キーワード | Liquid biopsy / gastric cancer / less invasive surgery / lymph node metastasis / リキッドバイオプシー / 胃癌 / リンパ節転移 / センチネルリンパ節 / 血中遊離癌細胞 / リキッド・バイオプシー / 早期胃癌 |
研究開始時の研究の概要 |
リンパ節転移が起こる前にリンパ節には転移形成の準備段階としてNotch pathwayやExtracellular matrix、接着因子等の変化がおこっているとする報告があり、この転移前変化は理論上、センチネルリンパ節から始まると考えられる。そこで行ってきたSNNSにより得られたSNとnon-SN、転移陽性リンパ節を用いて分子生物学的手法による網羅的発現解析を行いリンパ節転移形成前の微小な変化と関連するバイオマーカーを探索する。本研究で同一症例の末梢血サンプルを用いてこれらのバイオマーカー候補の末梢血中の発現を検証し、リキッド・バイオプシーによるリンパ節転移前診断への応用の可能性を探求する。
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研究成果の概要 |
早期胃癌の術前リンパ節診断は困難であるが診断能を改善できればテーラーメイドの低侵襲手術が可能となる。リキッドバイオプシーとして末梢血での術前リンパ節転移予測を目的に、センチネルリンパ節を用いてPCR-arrayからリンパ節転移と関連する遺伝子を抽出し、末梢血中の発現を調べることでリンパ節転移予測となると仮説した。実際には保管していたセンチネルリンパ節の経時的変化のためPCR-arrayの結果を得ることができなかった。代わりに末梢血から循環癌細胞等を捕獲できるCTC-chipを導入し、機器の調整・確認作業を行ったうえで実際に健常者末梢血に混注した癌細胞株を抽出することができることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
早期胃癌の治療は予防的リンパ節郭清を伴う定型的胃切除が推奨されるが、内視鏡治療の適応を外れた早期胃癌であれば実際のリンパ節転移頻度は1割もなく、9割の症例に過度の手術侵襲を加えている結果と言える。しかし、画像検査による術前リンパ節転移診断は非常に難しく、そのためにリンパ節転移を予測しうるバイオマーカーの開発が必要であり、検査自体も低侵襲な採血から行えるリキッドバイオプシーによる評価が可能となれば、多くの症例にリンパ節郭清を個別化できる低侵襲手術が行えるようになる。さらに手術の低侵襲化は術後合併症の軽減にも寄与する可能性があり、手術における入院期間の短縮による医療経済への貢献も期待される。
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