• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 前のページに戻る

間質圧の上昇が肺癌の病態に果たす役割の解明とその治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K15513
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50010:腫瘍生物学関連
研究機関京都府立医科大学

研究代表者

徳田 深作  京都府立医科大学, 医学(系)研究科(研究院), 講師 (00433277)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2024-03-31
研究課題ステータス 完了 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード肺癌 / 間質圧 / 細胞極性 / 腫瘍微小環境 / 細胞運動 / EGFR / PKA / タイトジャンクション / クローディン
研究開始時の研究の概要

癌の誘因となる慢性炎症や癌組織では間質圧が上昇しているが、間質からの物理的な圧力が癌の病態に果たす役割は未だによく分かっていない。
培養上皮細胞に基底側から静水圧を加えると上皮の重層化など癌と共通の形質が引き起こされ、タイトジャンクションが静水圧のセンサーとして機能する可能性が示唆されているが、その詳細なメカニズムはよく分かっていない。
本研究では肺癌細胞を用いて静水圧が癌細胞に及ぼす影響を解析し、間質圧の上昇が肺癌の病態に果たす役割を明らかにする。腫瘍の微小環境でこれまで注目されてこなかった「間質圧」の役割を詳細に調べることによって、新たな方向からアプローチする癌の治療方法を開拓する予定である。

研究成果の概要

間質圧の上昇が癌の病態において果たす役割を明らかにするため、肺癌細胞に基底側から静水圧を加えた影響を調べた。基底側からの圧力によって細胞増殖の亢進、細胞極性の異常、細胞運動の亢進や上皮の重層化が引き起こされ、間質圧の上昇は腫瘍の促進に寄与しており、肺癌の病態において重要な役割を果たすことが明らかになった。
肺癌細胞が圧力を感知するメカニズムを解析するため、圧が直接的に加わると考えられるタイトジャンクション構成タンパク質の一つであるZO-1を遺伝子ノックアウトしたクローンを作成したが、上皮シートを形成できなくなり実験的に圧力の影響を検討することができなかったため、解決方法について検討を行った。

研究成果の学術的意義や社会的意義

進行期の肺癌に対する治療は近年進歩しており、細胞障害性抗がん剤に加えて分子標的薬や免疫治療の開発が進み、治療成績も向上している。しかし、未だに進行期の肺癌は根治が難しい状況である。腫瘍の周囲では物理的な圧力が高くなっているが、本研究では物理的な圧力が肺癌の促進に重要な役割を果たしていることを明らかにした。今後、癌細胞が圧力を感知するメカニズムの詳細がさらに明らかになれば、肺癌の新たな治療法の開拓につながることが期待される。

報告書

(4件)
  • 2023 実績報告書   研究成果報告書 ( PDF )
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (5件)

すべて 2024 2023 2022

すべて 雑誌論文 (3件) (うち査読あり 3件、 オープンアクセス 3件) 学会発表 (2件) (うち国際学会 2件)

  • [雑誌論文] AXL signal mediates adaptive resistance to KRAS G12C inhibitors in KRAS G12C-mutant tumor cells.2024

    • 著者名/発表者名
      Morimoto K, Yamada T, Hirai S, Katayama Y, Fukui S, Sawada R, Tachibana Y, Matsui Y, Nakamura R, Ishida M, Kawachi H, Kunimasa K, Sasaki T, Nishida M, Furuya N, Watanabe S, Shiotsu S, Nishioka N, Horinaka M, Sakai T, Uehara H, Yano S, Son BK, Tokuda S, Takayama K.
    • 雑誌名

      Cancer Lett

      巻: 587 ページ: 216692-216692

    • DOI

      10.1016/j.canlet.2024.216692

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Effects of combined therapeutic targeting of AXL and ATR on pleural mesothelioma cells2024

    • 著者名/発表者名
      Hirai S, Yamada T, Katayama Y, Ishida M, Kawachi H, Matsui Y, Nakamura R, Morimoto K, Horinaka M, Sakai T, Sekido Y, Tokuda S, Takayama K
    • 雑誌名

      Mol Cancer Ther

      巻: 23 号: 2 ページ: 212-222

    • DOI

      10.1158/1535-7163.mct-23-0138

    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Heterogeneity among tumors with acquired resistance to EGFR tyrosine kinase inhibitors harboring EGFR-T790M mutation in non-small cell lung cancer cells2022

    • 著者名/発表者名
      Katayama Y, Yamada T, Tokuda S, Okura N, Nishioka N, Morimoto K, Tanimura K, Morimoto Y, Iwasaku M, Horinaka M, Sakai T, Kita K, Yano S, Takayama K
    • 雑誌名

      Cancer Medicine

      巻: 11 号: 4 ページ: 944-955

    • DOI

      10.1002/cam4.4504

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書 2021 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [学会発表] Effects of interstitial pressure on lung cancer cells2023

    • 著者名/発表者名
      Tokuda Shinsaku, Onoi Keisuke, Yamada Tadaaki, Takayama Koichi
    • 学会等名
      AACR Annual Meeting
    • 関連する報告書
      2023 実績報告書
    • 国際学会
  • [学会発表] Effects of interstitial pressure on lung cancer cells2023

    • 著者名/発表者名
      Shinsaku Tokuda, Keisuke Onoi, Tadaaki Yamada, Koichi Takayama
    • 学会等名
      AACR Annual Meeting 2023
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 国際学会

URL: 

公開日: 2021-04-28   更新日: 2025-01-30  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi