研究課題/領域番号 |
21K15517
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 長崎国際大学 |
研究代表者 |
大久保 伸哉 長崎国際大学, 薬学部, 講師 (00881872)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,380千円 (直接経費: 2,600千円、間接経費: 780千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | アルクチゲニン / オートファジー / 抗がん剤耐性化 / 耐性抗がん剤の感受性増加 / シスプラチン高度耐性細胞株 / シスプラチン感受性増強 / 低毒性 / アポトーシス / シスプラチン耐性KCP-4細胞 / 感受性増強効果 / 耐性減弱効果 / オートファジー阻害 / Arctigenin |
研究開始時の研究の概要 |
オートファジーは、細胞の恒常性維持に寄与する重要な細胞内分解機構である。近年、がん細胞の抗がん剤耐性化は、オートファジーによって支持されることが明らかになってきている。本研究では、スクリーニングによって見出したオートファジー阻害作用を有する天然化合物のArctigeninを用いて、シスプラチン(CDDP)耐性細胞株KCP-4におけるオートファジー阻害作用の評価、CDDP併用時のCDDP耐性減弱作用の評価およびその作用機序の解明を行う。本研究の成果は、がん細胞の抗がん剤耐性化におけるオートファジー阻害の有益性を提供し、がん薬物療法の更なる発展に寄与することが期待される。
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研究成果の概要 |
本研究では、ごぼうの種に含まれる成分のアルクチゲニンが、抗がん剤が効きにくくなったがん細胞に対して、再び抗がん剤が効くように働きかける効果があるかもしれないことを明らかにした。また、アルクチゲニンが正常な細胞の増殖に影響を及ぼすかどうかを調査した結果、正常な細胞の増殖には大きな影響を与えないことが分かった。アルクチゲニンは、がん薬物療法における薬剤耐性化問題に対して、薬剤耐性克服のための新たな治療戦略になり得る可能性を有している。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
がん細胞のオートファジーを阻害することによって、がん細胞の増殖抑制や抗がん剤耐性化機構の破綻を実現できる可能性が示唆されており、本研究で用いたアルクチゲニンは、がん細胞のオートファジーを阻害することが知られている。本研究では、既存の抗がん剤であるシスプラチンに高度耐性を示すがん細胞に対して、シスプラチンとアルクチゲニンを併用処理することで、シスプラチンの感受性が増加することが明らかになった。本研究は、オートファジーを阻害する化合物の処理によって、がん細胞の抗がん剤耐性化機構に影響を与えることが可能であることを示唆するデータを提供する。
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