研究課題/領域番号 |
21K15523
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
淺野 禎三 東北大学, 医学系研究科, 助教 (60871431)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
中途終了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | モノクローナル抗体 / HER3 / 腫瘍 / がん特異的抗体 / 抗腫瘍効果 / 抗体 / CasMab法 / 抗体依存性細胞障害活性 / 糖鎖 |
研究開始時の研究の概要 |
がん細胞を標的としたモノクローナル抗体は、がんの検査、診断法および抗体医薬品として広く用いられている。一方、これら抗体医薬品の標的タンパク質の多くはがん細胞のみならず正常細胞にも発現しているため、有効な抗体医薬品開発のためにはがん細胞を特異的に認識するモノクローナル抗体の開発が必要である。 そこでがん特異的糖鎖構造を認識する抗体作製法であるCasMab法を用いて、腫瘍特異的糖鎖構造に反応性を示すモノクローナル抗体を作製し、抗体が認識している腫瘍特異的糖鎖構造および抗腫瘍効果を検討することで、新たな抗体医薬品の開発の可能性を検証する。
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研究実績の概要 |
ヒト上皮成長因子受容体3(HER3)の過剰発現は、大腸がんを含むいくつかの固形がんで、予後不良の因子として考えられている。さらにEGFRやHER2を標的とした治療薬に対する耐性の克服にも関連していることが報告されている。そのためHER3はがん治療の標的分子として注目されている。しかしHER3はがん細胞のみならず正常細胞にも発現している。もしがん細胞特異的に認識する抗体を作製することができれば、抗体医薬のターゲットを広げることができ、また副作用のない抗体医薬品を開発することが可能となるため、がん細胞特異的に認識するモノクローナル抗体の開発が望まれている。 そこで本研究では、①がん特異的モノクローナル抗体を作製する手法であるCasMab法を用いてがん細胞特異的抗HER3抗体を樹立することで、有用性の高い抗体医薬の開発につながる、②樹立した抗体の機能解析を通して、糖鎖とペプチドの両方をエピトープに含む腫瘍型抗糖タンパク質抗体の実態の解明、③糖鎖不全細胞株を用い、がん細胞特異的抗HER3抗体の解析を行うこととし,研究を推進している。 具体的には、免疫およびスクリーニングに細胞を用いてモノクローナル抗体を作製する手法であるCBIS法を用いて、フローサイトメトリー解析においてHER3を特異的に認識するモノクローナル抗体を多数作製し、それらの抗HER3抗体の中から、HER3を発現している正常細胞には反応せず、がん由来細胞にのみ反応するものを、フローサイトメトリーを用いたスクリーニングにより得ることができた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本研究は,3ヵ年で計画する。研究初年度では、がん細胞に内在的に発現しているHER3に対して反応性を示す抗HER3モノクローナル抗体を100種以上作製することに成功した。また、in vitroにおける抗体依存性細胞障害(ADCC)活性、補体依存性細胞障害(CDC)活性、さらにin vivoにおける抗腫瘍効果を有する抗HER3モノクローナル抗体(H3Mab-17)の作製に成功した。研究2年度目である本年は、本研究の目的であるがん細胞を特異的に認識する抗HER3抗体を得ることができた。現在までにH3Mab-17の抗腫瘍活性の結果について論文および学会発表も行っている。そのため,おおむね順調な進展と自己評価した。
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今後の研究の推進方策 |
本研究では、がん特異的抗体の作製を目標としている。すでにがん細胞特異的に認識する抗HER3抗体が得られたため、今後はがん特異的認識抗体のエピトープの解析、およびエピトープ部位における正常細胞とがん細胞との糖鎖修飾の違いを調べることで、抗体ががん特異的に認識するメカニズムの解明に努める予定である。
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