研究課題/領域番号 |
21K15525
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
藤木 亮次 千葉大学, 医学部附属病院, 特任助教 (40534516)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ARID1A / クロマチンリモデリング / エピジェネティクス / がん / 胃がん |
研究開始時の研究の概要 |
ARID1Aは代表的な胃がん抑制遺伝子であり、ヒトSWI/SNF複合体の構成因子としてクロマチン構造と遺伝子発現に関与している。しかし、これらの制御がどのように細胞のがん化を抑えているのか、多くの不明な点が残されている。本研究では、ARID1Aの機能発現に転写因子の介在が重要と考え、本遺伝子の欠損が転写因子結合モチーフ周辺のクロマチン構造にどのような影響を与えるのか、ミクロコッカスヌクレアーゼによるクロマチン切断と次世代シーケンシングを組み合わせた、いわゆるMNase-Seq法で解析する。検索された候補因子の中から相互作用をもつものを同定し、ARID1Aを介する発がんの分子病態に迫りたい。
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研究成果の概要 |
ARID1Aは胃がんで高頻度に変異を生じるがん抑制遺伝子であり、クロマチン構造調節の主要因子として多くの遺伝子発現の調節に関与している。しかし、特異的DNA配列への結合能は知られておらず、そのがん抑制能については多くの不明な点が残されていた。 本研究では、この分子の機能発現にAP-1転写因子が介在することを見出した。ARID1A遺伝子を欠損させた胃上皮細胞ではAP-1の結合配列周辺でクロマチン構造の閉塞が観察され、周辺の胃上皮細胞の形質決定に関わる一部がん抑制遺伝子の抑制が見られた。 従って、ARID1A機能喪失によるAP-1周辺のクロマチン構造異常が胃発がんに寄与している可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
ARID1A機能喪失変異は特に胃がんで多く見出され、免疫チェックポイント阻害薬やATR阻害薬などの効果が検証されているものの、今のところ決定的な治療法は確立されていない。その原因の一つには、ARID1Aの分子機能が多岐にわたり、その大部分が未だ解明されていないことが挙げられる。 本研究はこれまでARID1A異常の創薬標的として注目されてきたDNA修復機構に加え、AP-1転写因子周辺のクロマチン構造の調節を下流遺伝子の発現制御が関与する可能性を示した。こうした新たな機構を担う責任因子が見つかることにより、新たな治療標的の発見や抗がん剤の創出などにつながる可能性がある。
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