研究課題/領域番号 |
21K15530
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50010:腫瘍生物学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
河口 浩介 京都大学, 医学研究科, 助教 (30516927)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
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キーワード | 乳癌 / 腫瘍免疫微小環境 / 肝転移 / 乳がん / 肝転移腫瘍微小環境 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法は腫瘍微小環境において、特に免疫原性の高い腫瘍に効果的であることが報告されている。従来、乳癌は免疫原性の少ない癌種とされてきたが、近年の前臨床試験及び臨床試験において抗PD-1抗体、抗PD-L1抗体をはじめとするがん免疫療法の乳癌への有効性が報告されている。しかしながら、肝転移巣におけるがん免疫療法の効果は限定的であることが問題点として挙げられる。転移乳癌患者において予後に強く関連する肝転移の制御は不可欠であると考え、マウス乳癌肝転移モデル並びにヒト臨床サンプルを利用し、乳癌肝転移巣の腫瘍免疫微小環境をターゲットとした新規治療戦略の開発を目指す。
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研究成果の概要 |
転移乳癌患者において予後に強く関連する肝転移の制御は不可欠であり、乳癌治療において取り組むべき大きな課題である。我々はマウス乳がん肝転移モデルを用いて、乳癌肝転移巣に対しては免疫チェックポイント阻害薬の効果は認められず、CD8陽性細胞の腫瘍浸潤が原発巣に比べて乏しいことを確認した。またマウス4T1担癌マウスにおいて、肝細胞における好中球浸潤が著明に増加する事を免疫染色、フローサイトメトリー並びにトランスクリプトーム解析にて確認した。 これらの結果は乳癌と肝臓免疫微小環境の因果関係の解明に貢献し、乳癌肝転移の理解に寄与するところが大きい。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
転移を有する乳癌患者の約70%が肝転移を有するといわれており、患者のQOL並びに医療経済双方の観点から、肝転移に対する治療戦略を検討することは、早急に取り組むべき大きな課題である。本研究成果において、肝臓に転移浸潤した腫瘍細胞のみならず、担癌状態であることが既に肝臓における腫瘍免疫微小環境の形成に関わっている事が明らかになった。全身性の宿主免疫応答が各臓器別に生じていることは、今後の乳癌肝転移制御という観点から、非常に重要な知見であると考える。
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