研究課題/領域番号 |
21K15554
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 長崎大学 |
研究代表者 |
吉田 道春 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(医学系), 客員研究員 (00795437)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | glioblastoma / focused ultrasound / micro-bubbles / lipid nanoparticles / drug derivery system / mRNA / doxorubicin / malignant glioma / 薬物送達治療 / 集束超音波 / バブルリポソーム / 血液脳関門 / 悪性神経膠腫 / ドキソルビシン / mRNA封入脂質ナノ粒子 / 抗癌剤封入リポソーム / 脳移植マウス / テモゾロミド |
研究開始時の研究の概要 |
悪性神経膠腫は手術摘出による完全治癒が困難であり、放射線や化学療法といった後療法に対しても抵抗性である。薬剤抵抗性の主要因として血液脳関門の存在による薬剤送達の問題が挙がる。本研究では悪性神経膠腫モデルに対しバブルリポソーム(微小気泡)製剤と集束超音波装置を用いて血液脳関門を開口させ、3次元薬物動態解析により安全で有効な薬物送達治療を実現し、ヒト悪性神経膠腫における化学療法の治療効果の向上を目的とする。悪性神経膠腫細胞株脳移植ラットに対しバブルリポソーム投与後に抗癌剤を投与し超音波を照射。血液脳関門開口と組織内薬物動態を解析し、抗腫瘍効果と有害事象を比較検証する。
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研究成果の概要 |
COVID-19のワクチン開発で世界的に注目を集めているmRNA封入脂質ナノ粒子(LNP)を送達薬剤とし、バブルリポソーム(BL)とmRNA封入LNPを静注後、頭部に集束超音波(FUS)を照射した。照射後、ルシフェラーゼ発現mRNA封入LNPと蛍光タンパク質(ZsGreen1)mRNA封入LNPの脳内送達(発現)に関して検討したところ、脳実質内に高いルシフェラーゼ発現と、3次元薬物動態解析から血管内皮細胞およびグリア細胞でZsGreenの発現亢進が認められた。これにより、FUSとBLによるBBB開口によりmRNA封入LNPを脳実質へ送達できることを実証した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
mRNAがLNP封入により血中で安定して維持され、FUS照射とBL製剤によって脳内の照射部位選択的にBBBを超えて送達可能であるという、脳内へのDDSにおける2つの大きな障壁を克服する新知見を得ることが出来た。 今後は、薬剤封入技術を応用し、悪性神経膠腫モデルに対して抗癌剤(DOX)封入リポソームやmRNA封入LNPをFUSとBLにより脳内送達し抗腫瘍効果を得ることで、化学療法の治療効果の向上を期待できる可能性がある。
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