研究課題/領域番号 |
21K15555
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 熊本大学 |
研究代表者 |
古閑 悠輝 熊本大学, 大学院生命科学研究部(医), 特定研究員 (40835170)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,210千円 (直接経費: 1,700千円、間接経費: 510千円)
2021年度: 2,470千円 (直接経費: 1,900千円、間接経費: 570千円)
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キーワード | GIST / バイオマーカー / 薬剤耐性 / FBXW7 / 悪性度 / 血清バイオマーカー |
研究開始時の研究の概要 |
消化管間質腫瘍(GIST)は切除不能・再発の症例は、予後不良である。切除不能・再発GISTに対してはチロシンキナーゼ阻害剤(イマチニブ)の投与が行われるが、その耐性獲得が臨床上、問題となっている。また予後、悪性度を規定する因子として現在は腫瘍径など腫瘍に関する因子しか用いられておらず有用なバイオマーカー、特に血清マーカーの報告はない。 今後イマチニブの耐性機序を解明すること、血清マーカーから悪性度、薬剤耐性を予測することは臨床的に非常に重要となると考えられる。GISTにおける悪性度、薬剤耐性に関与する血清バイオマーカーを同定し、今後のGIST新規治療、スクリーニング、経過観察など臨床への応用を目的とし研究をおこなう。
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研究成果の概要 |
GIST(gastrointestinal stromal tumor)における、悪性度や薬剤感受性を予測する血清バイオマーカーの報告はない。 がん抑制遺伝子であるFBXW7発現が全症例及び高リスク症例に限定した上でも、GISTの予後に関与することを示した。またイマチニブ投与の有無で検討し、FBXW7発現がイマチニブ耐性、感受性に関与する可能性が示唆された。 細胞実験でイマチニブ耐性GIST細胞を樹立し、イマチニブ耐性に関与する可能性のある遺伝子を検索した。Pathway解析でPI3k-Akt-mTOR経路が候補として同定された。同経路とFBXW7の関与も報告されており、更なる実験を行う。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究はGISTの悪性度や薬剤耐性に関わる血清バイオマーカーの同定を目的とし研究を行った。臨床検体の免疫染色、細胞実験により前述の結果が得られた。GIST治療薬であるイマチニブが作用するKIT蛋白の下流に位置するPI3k-Akt-mTOR経路の遺伝子変動を認めた。この経路の遺伝子が何らかのイマチニブの耐性に関与する可能性が示唆され、さらにはFBXW7と同経路の関連も報告されている。これらの遺伝子を標的とした治療法の開発、また遺伝子発現による治療効果、悪性度の予測が可能になる可能性がある。さらに、血清で同定できれば、血液検査で簡便に治療効果や予後が予測できる可能性がある。
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