研究課題/領域番号 |
21K15566
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
鈴木 絢子 東京大学, 大学院新領域創成科学研究科, 准教授 (00770348)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 空間トランスクリプトーム解析 / ロングリードシークエンス技術 / がん / ロングリード技術 / 空間オミクス解析 / ゲノム / トランスクリプトーム |
研究開始時の研究の概要 |
本研究では、がん組織における不均一性・微小環境を直接的に計測する空間トランスクリプトーム解析を行い、さらにそのデータ上にてゲノム変異検出を行う手法を開発・実践する。空間トランスクリプトーム解析技術Visiumでは転写産物の3’端のみの解読しか可能でなかったが、本開発手法により、転写産物の全長にわたって変異を検出する。また各領域の遺伝子発現パターンより遺伝子発現モジュール解析やコピー数異常の推定も行う。特に、ドライバー変異によって層別化の進んでいる肺腺癌に着目し、病理組織切片上のトランスクリプトーム多様性と、ゲノム変異ステータスを対応付ける。
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研究成果の概要 |
本研究開発は、肺がん組織の局所的な進展の分子メカニズムを明らかにするために、空間トランスクリプトーム解析技術とロングリードシークエンス技術を駆使して、肺がん組織局所のゲノム変異およびトランスクリプトームステータスを解析する手法を開発するものである。本研究では、空間トランスクリプトームVisiumを実施した計8症例の肺腺がん凍結手術検体を対象に、Visiumライブラリ調製の過程で得られる全長cDNAを増幅し、ナノポアシークエンサーで解読した。点変異やスプライシングパターンを抽出することができ、位置バーコードを通じて遺伝子発現クラスターや空間情報と結びつけることができた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究で解析対象としている肺がん組織は、不均一かつ複雑ながん微小環境状態を有しており、その分子レベルでの理解には、空間情報・病理組織学情報を考慮したオミクス計測技術が重要な役割を果たすと考えられる。本研究では、空間トランスクリプトーム技術およびロングリードシークエンス技術といった新規ゲノム解析技術を駆使して空間オミクス解析のための実験・情報解析手法の開発を実施している。近年急速に普及が進む空間トランスクリプトーム解析技術をより発展的にがん研究に応用するための基盤整備を行うことができており、学術的意義や社会的意義は十分であると考えている。
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