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胃癌における化学療法駆動性抗腫瘍免疫の解明と治療応用

研究課題

研究課題/領域番号 21K15570
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
研究機関九州大学

研究代表者

安藤 陽平  九州大学, 医学研究院, 共同研究員 (40746864)

研究期間 (年度) 2022-12-19 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
キーワード胃癌 / 化学療法 / シングルセル解析 / 治療耐性化 / 腫瘍微小環境 / シングルセル遺伝子発現解析 / scRNA-seq / 免疫微小環境 / 治療抵抗性
研究開始時の研究の概要

本研究では、胃癌において、化学療法で駆動される抗腫瘍免疫のactiveな細胞集団とregulativeな細胞集団の存在をsingle cell RNA-sequence (scRNA-seq)によって特定し、腫瘍免疫におけるexhaustionあるいはdysfunctionに関わる様々な免疫細胞集団の経時的な機能変化について解析する。これにより化学療法駆動性の腫瘍免疫改変メカニズムを明らかにする。さらには治療継続中に治療抵抗性になる機序を免疫微小環境の側面から解析し、化学療法の併用療法として新たな切り口となるべき微小環境内に存在する細胞あるいは分子を同定することで微小環境改変による治療効果増幅・継続を可能とする新規治療法開発につなげる。

研究実績の概要

近年、胃癌においても免疫療法が標準的治療の一つとなり、胃癌における腫瘍微小環境(TME)の解明は進んでいる。しかし、未だに腫瘍微小環境(TME)の全容は解明されておらず、進行胃癌の予後は依然として不良である。本研究では、1細胞ごとの網羅的遺伝子発現解析を行うシングルセルRNAシーケシング(scRNA-seq)を用いて、化学療法によって誘導される腫瘍微小環境(TME)の変化に着目し、治療耐性化の機序解明を目的とした。当科で胃切除術を施行した胃癌症例から採取した腫瘍部と正常粘膜を対象とし、術前化学療法(NAC)の有無によって変化する免疫細胞とその機能的変化についてシングルセルRNAシーケシング(scRNA-seq)を用いて評価した。全9症例の統合解析を行った結果、術前化学療法(NAC)群でCD8陽性T細胞は殺細胞性が、疲弊化因子とともに変化していた。また、術前化学療法(NAC)群で腫瘍細胞と制御性T細胞の免疫抑制因子の変動をみとめた。以上から、胃癌に対する化学療法によって、腫瘍微小環境(TME)における免疫原性が変化すると同時に、腫瘍は免疫回避機構として免疫抑制環境を変化させていくことが示唆され、それが治療耐性化の機序の一つである可能性が考えられた。シングルセルRNAシーケシング(scRNA-seq)による解析は進行中であり、胃癌TME内の各種免疫細胞を腫瘍環境毎に分けて詳細な遺伝子解析を行なっている。今後、本研究で明らかになった免疫抑制因子を標的とした免疫療法の検討や各種免疫細胞の空間的な位置情報を追加することでより詳細な解析を行う予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

胃腺癌検体のサンプルのライブラリ作成は順調に行うことができている。シングルセルデータ解析手法に関しても習熟度が上がってきており,解析を重ねて,胃癌の腫瘍微小環境における各種免疫細胞の役割を解明していく。

今後の研究の推進方策

胃癌の腫瘍微小環境における各種免疫細胞のサブタイプ,その機能を同定する。また、化学療法の有無での相違を遺伝子発現レベルで解析し,腫瘍微小環境に与える影響を解明する。

報告書

(2件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2021 実績報告書
  • 研究成果

    (1件)

すべて 2024

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Tumor-infiltrating monocytic myeloid-derived suppressor cells contribute to the development of an immunosuppressive tumor microenvironment in gastric cancer2024

    • 著者名/発表者名
      Tsutsumi Chikanori、Ohuchida Kenoki、Katayama Naoki、Yamada Yutaka、Nakamura Shoichi、Okuda Sho、Otsubo Yoshiki、Iwamoto Chika、Torata Nobuhiro、Horioka Kohei、Shindo Koji、Mizuuchi Yusuke、Ikenaga Naoki、Nakata Kohei、Nagai Eishi、Morisaki Takashi、Oda Yoshinao、Nakamura Masafumi
    • 雑誌名

      Gastric Cancer

      巻: 27 号: 2 ページ: 248-262

    • DOI

      10.1007/s10120-023-01456-4

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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