研究課題/領域番号 |
21K15580
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
藤野 智大 近畿大学, 医学部, 助教 (90813981)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2022-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2021年度)
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配分額 *注記 |
3,900千円 (直接経費: 3,000千円、間接経費: 900千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | CBL変異 / ドライバー遺伝子変異 / MET exon 14 skipping変異 / 二次変異 / EGFR / MET |
研究開始時の研究の概要 |
CBL(Casitas B-lineage lymphoma) は、E3 ubiquitin ligase familyの一つであり、ユビキチン-プロテアソーム経路を介し、活性化した受容体型チロシンキナーゼ等の分解促進作用や細胞シグナリングに関与する。本遺伝子の変異は、急性骨髄性白血病の約2-3%に見られ、癌化に関与することが知られている。一方、固形腫瘍、特に肺癌においても約2-3%に本遺伝子変異が出現することが報告されているが、肺がんにおけるこれら遺伝子変異の臨床的意義については明らかではない。 本研究では、肺癌におけるCBL遺伝子変異の意義、新規治療標的としての可能性について検証する。
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研究実績の概要 |
我々は、肺癌の新規ターゲット遺伝子変異としては、CBL遺伝子の解析を行った。c-bioportal for cancer genomics上では、肺腺癌で1.14% (19/1662)、肺扁平上皮癌で0.86% (15/1740)にCBL変異を認めた。上記のデータベースで肺癌でも報告され、かつ血液腫瘍において既に活性化遺伝子として報告されているCBLのRINGドメインにおけるC384R, G415S, C416S, R420L変異を有するレトロウイルスを作成した。これらをBa/F3細胞に導入した所、transforming abilitiyは認められなかったが、野生型のMET遺伝子とco-transfectionした所、C416S変異ではIL3 indepedent growthは確認された。この結果は、CBL変異がMET遺伝子との共同発現下でtransforming abilityを示すことを示唆している。 また、MET exon 14 skipping mutation に関する研究も行った。現在臨床で使用されている2種類のタイプIb MET阻害剤に対しては、MET D1228 またはY1230アミノ酸残基に二次変異が好発するが、これらに対しては作用機序の異なるタイプII MET阻害剤が有効である可能性が報告されている。しかし、我々は、特にD1228Xに対しては、現在臨床開発が進行中のタイプII阻害剤では効果が乏しいことを見出した。網羅的な薬剤スクリーニングでforetinibが有用である可能性を見出し、in vitro, vivoで効果を検証した。本結果は、Type I阻害剤に対する獲得耐性として二次的変異(D1228XまたはY1230X)が生じた場合、foretinibが有用な後治療薬となる可能性を示唆している。
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