研究課題/領域番号 |
21K15584
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立がん研究センター |
研究代表者 |
吉田 達哉 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (10729338)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 悪液質 / 急性炎症 / 胸部悪性腫瘍 / 免疫チェックポイント阻害剤 / 腫瘍免疫応答 / 肺癌 / 免疫老化 / 炎症性サイトカイン / 腫瘍免疫 / 急性炎症性蛋白 |
研究開始時の研究の概要 |
これまで生体内のC-reactive protein(CRP)などの急性炎症性蛋白が高値の患者では免疫チェックポイント阻害剤の治療効果が不良であるとともに、急性炎症性蛋白自体が腫瘍免疫の中核を担うT細胞の増殖や機能を抑制するメカニズムを同定してきた。また同時に急性炎症性蛋白が関与する悪液質状態下においても免疫チェックポイント阻害剤の治療効果が不良であることを報告してきた。 本研究では胸部悪性腫瘍患者の生体試料を用いて急性炎症および悪液質状態下の免疫抑制機構を解析することで、急性炎症や悪液質の克服を目指す基盤研究につなげ、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果改善など臨床応用への発展を目指す。
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研究成果の概要 |
胸部悪性腫瘍患者において、悪液質自体が全身性免疫に影響を与え、免疫チェックポイント阻害剤の治療効果に影響を与えていることを報告した。さらに遺伝子変異との関係についても検討を行い、非小細胞肺癌のドライバー遺伝子変異であるEGFR遺伝子変異を有する患者では、悪液質の合併の頻度が有意に少ないことを同定した。ドライバー遺伝子変異以外としては、TP53、CDKN2AおよびSMARCA4の遺伝子変異を有する症例では、悪液質の合併頻度が有意に高いことを同定した。引き続き遺伝子発現解析を行い、急性炎症および急性炎症および悪液質によって特異的な遺伝子発現が亢進するかを網羅的な解析を行う予定である。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によって、急性炎症および悪疫質の状態下での免疫応答に関する基盤データを構築することできた。悪液質の発症と関係する遺伝子変異も同定によって、急性炎症や悪液質の状態を克服するための新たな治療標的の同定につながることが期待される。一方で、急性炎症および急性炎症および悪液質によって特異的な遺伝子発現が亢進するかについては不明であるため、網羅的な解析が重要である。
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