研究課題/領域番号 |
21K15589
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
中嶋 智之 信州大学, 医学部附属病院, 主任臨床検査技師 (10898232)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
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キーワード | 大腸癌 / サイトカイン / Osteopontin / SPP1 / CXCL13 / Transcriptomics / mRNA ISH / 遠隔転移 |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は世界的に罹患数・死亡数の極めて多い癌腫であり、死亡例の大多数は遠隔転移の経過を辿る。 癌微小環境における抗腫瘍免疫は、サイトカインの発現バランスによって制御されており、抗腫瘍免疫抑制性サイトカインの発現が高い腫瘍は腫瘍免疫抑制環境を構築し、高い浸潤性、転移性を獲得する。 本研究では病理検体を用いた網羅的RNA発現解析によるサイトカインプロファイルを実施し、さらに高感度RNA in situ hybridization法を活用することで、癌微小環境におけるサイトカイン発現と臨床病理学的特徴の関係性を解析し、抗腫瘍免疫抑制性サイトカインに着目した高転移性大腸癌予測マーカーの創出を目指す。
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研究成果の概要 |
大腸癌は、日本のみならず世界中で罹患者数及び死亡数が極めて多い癌種であり、死亡例の大部分は遠隔転移の経過を辿る。本研究では、癌微小環境におけるサイトカイン発現をトランスクリプトーム解析によって網羅的に解析し、ターゲットを探索、同定し研究を進めた。その結果、予後予測バイオマーカーとしてOsteopontin(SPP1)、CXCL13を見出した。癌微小環境におけるこれらの発現性を解析し、産生細胞や周囲の免疫細胞の種類、組織学的な特徴を解析した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
Osteopontin (SPP1)は大腸癌の浸潤前線に位置するマクロファージ様細胞によって産生されることが確認された。このタンパク質の高発現は、高度なtumor buddingと関連しており、独立した予後予測因子であることが示された。 CXCL13の低発現は大腸癌の予後不良の因子であると同定された。さらに、CXCL13陽性細胞数はCD8+リンパ球数およびCrohn's-Like Lymphoid Reactionの増加と関連しており、腫瘍部の抗腫瘍免疫応答の促進に寄与する可能性があることが示唆された。
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