研究課題/領域番号 |
21K15601
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 慶應義塾大学 |
研究代表者 |
浅野 尚文 慶應義塾大学, 医学部(信濃町), 講師 (10445299)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | 脂肪肉腫 / 脱分化 / ゲノム解析 / クローン進化 / メチル化解析 / エピゲノム解析 |
研究開始時の研究の概要 |
脱分化型脂肪肉腫は高悪性度の軟部肉腫で、極めて予後不良の疾患である。中間悪性腫瘍である異型脂肪腫からの脱分化が10%で生じると言われているが、残りの90%は新規に発生し、脱分化現象のメカニズムは明らかとなっていない。本研究では、1)多症例の腫瘍検体を用いたDNAメチル化解析と2)1腫瘍当たり、10検体の多領域の腫瘍検体を用いた多領域ゲノム・エピゲノム解析を行うことで、脱分化現象のメカニズムの解明を目指す。
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研究実績の概要 |
脱分化型脂肪肉腫は、染色体12q13-15領域の高度増幅を特徴とし、高分化(以下、WD)成分と非脂肪性の増悪である脱分化(以下、DD)成分によって構成された軟部腫瘍である。一般に、12q13-15増幅を有するWD成分中に、脱分化を引き起こす新たな異常を獲得したクローンが発生し、DD成分が形成されると考えられているが、脱分化の明確なトリガーは解明されていない。我々は多領域解析を行うことで、そのクローン進化を推定した。3症例の脱分化型脂肪肉腫を対象として、10サンプルずつ腫瘍組織検体を採取し、1)ゲノム(全エクソームシーケンス)、2)エピゲノム(DNAメチル化アレイ)の多領域解析を実施した。 1)各症例内の全サンプルに共通した体細胞遺伝子異常(変異+コピー数異常)は12q13-15高度増幅を含む4、26、2個だったのに対し、同一成分(WDまたはDD)内の全サンプルに共通した遺伝子異常は、WDで27、0、12個、DDで55、26、81個であった。3例中2例においては、全サンプルに共通するものが極めて少なく、WD成分とDD成分が早期に枝分かれするクローン進化が推定された。2)WD成分は全症例において正常脂肪と類似したDNAメチル化パターンを有していたが、DD成分は症例間で傾向が異なり、症例特異的な脱メチル化が広い領域で生じていることが明らかとなった。また、メチル化パターンから予測された系統樹は、遺伝子異常から予測された系統樹と類似していた。 本研究によって、一部の脱分化型脂肪肉腫においてはWD成分とDD成分が腫瘍形成の初期に分岐し、別々のクローン進化を遂げていることが明らかになった。また、脂肪分化・形成に関連する遺伝子の発現及びDNAメチル化パターンから、脱分化にDNAメチル化異常が寄与している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
予定通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今後はRNAシーケンスによる遺伝子発現解析を予定している。
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