研究課題/領域番号 |
21K15603
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分50020:腫瘍診断および治療学関連
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研究機関 | 千葉県がんセンター(研究所) |
研究代表者 |
細野 純仁 千葉県がんセンター(研究所), 脳神経外科, 医員 (60725365)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 腫瘍免疫 / 脳腫瘍 / 転移性脳腫瘍 / 放射線治療 / 神経膠腫 |
研究開始時の研究の概要 |
がん免疫療法には腫瘍細胞を直接攻撃するT細胞(腫瘍特異的T細胞)が重要であるが、その脳腫瘍での解析は少なく、抗腫瘍免疫応答に関する詳細な機序は不明な点が多い。申請者らは腫瘍特異的T細胞でPD-1発現が高いことを臨床検体から同定し、さらにそのようなT細胞そのものをアッセイから正確に同定する実験系を確立している。また肺癌の転移性脳腫瘍で、放射線治療後にがん免疫療法の効果が高いことを臨床的に見出してもいる。そこで、原発性及び転移性脳腫瘍の抗腫瘍免疫応答を腫瘍特異的T細胞の観点から詳細に解析し、さらに申請者が樹立したin vitroの実験系も用いて、治療の影響も含め解明する目的で本研究を計画した。
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研究成果の概要 |
脳腫瘍環境下におけるがん免疫の機序に関しては未だに不明な点が多い。今回の研究では脳腫瘍治療で主に用いられる放射線治療ががん免疫にもたらす影響を検証すべく実験を行った。本研究では放射線治療後の臨床検体を用いた実験に加え独自に樹立した実験系を用いて放射線治療がもたらすがん免疫応答への影響を検証した。結果、放射線治療はがん免疫応答に重要な役割を果たす樹状細胞や細胞傷害性T細胞を活性化させることでがん免疫応答を活性化させていることが示された。この結果から脳腫瘍に対しがん免疫療法を行う際は放射線治療を併用することで治療の効果を高めることができる可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年がん治療において注目を浴びているがん免疫療法は様々な癌種において有効性が実証され臨床応用されているが脳腫瘍に対する有効性は高くない。それは中枢系の腫瘍微小環境における免疫応答に関する系統的な解析がなく不明な点が多く存在するためであると考えられる。特に、抗腫瘍免疫応答の中心である腫瘍特異的T細胞に関する中枢系の脳腫瘍微小環境における詳細は不明である。中枢系の腫瘍微小環境における抗腫瘍免疫応答の詳細を研究することで新たな治療方法の開発へと活路を見出すことが本研究の意義であると考える。
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