研究課題/領域番号 |
21K15607
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 旭川医科大学 |
研究代表者 |
高橋 未来 旭川医科大学, 医学部, 助教 (70787663)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
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キーワード | 姿勢制御 / 高次脳機能 / 最適化 / 加齢 / 転倒 / 薬剤注入 / リーチング |
研究開始時の研究の概要 |
我々が運動を行うときには、行おうとする動作に応じて適切な姿勢制御が先行し、動作中の姿勢の安定に寄与しています。これを先行性姿勢制御といい、その異常が、麻痺あるいは筋骨格異常を伴わない高次脳機能障害の患者さんにおける転倒と関連することが指摘されています。本研究の目的は、先行性姿勢制御がどの様な高次脳機能メカニズムで計画され、実行されるのかを明らかにすることです。具体的には、運動中の動物の大脳皮質の一部を、薬物等で一時的に機能を抑制した高次脳機能障害モデルを作成します。このとき姿勢制御にどのような変化を生じるかを観察し、高次脳機能の姿勢制御への関与と,それに関連する中枢神経系の同定を試みます。
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研究実績の概要 |
令和5年度は,大脳皮質をムシモールで不活化した成果をまとめた学術論文を作成するとともに,ウイルスベクターを用いた実験を開始いたしました. 具体的には,まずげっ歯類の大脳皮質-網様体投射に対してウイルスベクターを微量注入し,経路選択的にたんぱく質を発現可能なことを確認しました.これによりネコへのウイルスベクター導入の目途が立ったため,令和5年度中に2頭のネコの高次運動野-網様体投射を経路選択的に不活化可能なウイルスベクター導入を行いました. 感染成立後のネコも普段の行動は以前と変わらないものでした,しかし,化学遺伝学手法により同経路を不活化すると,特にはしご上を歩く,障害物を跨ぐといった複雑な課題での歩行障害が出現することが明らかになりました.この結果は,姿勢・歩行制御における高次運動野-網様体投射がどのように携わるかを示していると考えています.
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
COVID-19流行の影響を受けた学位取得の遅延により研究費の執行が遅れたことにともなって,全体の進捗状況に遅れが出ている.令和5年度に行う予定であったウイルスベクター感染および選択的回路操作は実施できたことにより,遅れの拡大はないと考えている.
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今後の研究の推進方策 |
ムシモールを大脳皮質に微量注入した実験結果に関しては,現在学術誌に投稿すべく論文を執筆中である. ウイルスベクターを導入した個体群については,化学遺伝学手法による高次運動野-網様体投射の不活化前後での,姿勢・歩行の変化を観察する予定であり,さらに複数個体への導入を検討している.今年度中にデータをまとめて学術誌への投稿を目指す.
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