研究課題/領域番号 |
21K15608
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51010:基盤脳科学関連
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研究機関 | 山梨大学 |
研究代表者 |
須田 悠紀 山梨大学, 大学院総合研究部, 特任助教 (60775675)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
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キーワード | サル / タスクスイッチ課題 / 状況に応じた判断 / MT-LIP野 / β・γ帯域同期活動 / 相互神経ネットワーク / トップダウン / ボトムアップ / 位相同期 / MT-LIP野 / 機能結合 / 抑制 / 同期活動 / MT‐LIP野 |
研究開始時の研究の概要 |
様々な環境下で最適な行動を選択するためには、外界の状況に応じて適切に判断する脳機能が必要である。サル頭頂葉LIP野では、2つの判断課題をランダムに切り替えるタスクスイッチ課題の際、状況に応じて判断を形成する神経活動が生じている。では、課題状況に応じたLIP野からのトップダウン信号に伴って、適切な感覚情報を反映したボトムアップ信号は、感覚領野MT野からいかにして読み出されているのだろうか。本研究では、タスクスイッチ課題を行うサルのMT-LIP野同期活動より、両領野間のボトムアップとトップダウン信号を推定し、状況に応じた適切な判断を支える感覚-判断領野間の相互神経基盤を明らかにする。
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研究実績の概要 |
様々な環境下で最適な行動を選択するためには、外界の状況に応じて適切に判断しなければならない。我々は、2つの判断課題をランダムに切り替えるタスクスイッチ課題をサルが行っている際、課題状況に応じた神経活動の変化が、感覚表象に関わるMT野ではなく判断形成に関わるLIP野で生じていることをこれまでに報告した。 本研究の目的は、表象された感覚情報を状況に応じて適切に読み出し判断するための感覚-判断領野間の相互神経ネットワークを明らかにすることである。そのため、状況に応じた判断が求められるタスクスイッチ課題を行うニホンザル2頭のMT野とLIP野から局所電位を同時計測し、両領野間の機能結合ダイナミクスを、位相同期度を示すPhase Locking Valueと領野間の因果性を示すGranger Causality解析から評価した。 その結果、視覚刺激から眼球運動までの判断を形成する時間帯で観察されたβ帯域(14~30Hz)とGamma帯域(30~60Hz)同期活動は、それぞれ、課題に関連しないMT-LIP結合ペアと関連する結合ペアで生じていた。その因果性は、β帯域同期活動がLIP野からMT野へ向かう信号であるのに対して、γ帯域同期活動はMT野からLIP野へ向かう信号であることを確認した。また、γ帯域同期活動は、課題関連性が各試行で異なるMT-LIP結合ペアの中でも、課題に関連している試行のみで顕著に生じていた。 これらのことから、β帯域同期活動は課題に不要な感覚情報をトップダウン的に抑制する働きを持つ一方で、γ帯域同期活動は課題に必要な感覚情報を課題状況に応じてボトムアップに伝播させる役割を担っていると考えられる。MT-LIP野間のβ・γ帯域同期活動が、状況に応じた判断を支える感覚-判断領野間の相互神経ネットワークの一端を担っていることが明らかとなった。
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