研究課題/領域番号 |
21K15613
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51020:認知脳科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
佐藤 彰典 名古屋大学, 創薬科学研究科, 研究員 (20881204)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | 神経修飾物質 / 視覚 / 広域イメージング / ウイルスベクター / アセチルコリン / マウス / 視知覚 / ウイルストレーシング / 広域カルシウムイメージング / 二光子イメージング |
研究開始時の研究の概要 |
我々の視知覚は脳内の視覚情報処理によって実現されている。この情報処理は周囲の環境や行動文脈によって動的に変化し状況に応じた最適化が行われるが、これはセロトニンをはじめとする神経修飾物質の神経活動修飾作用による。しかしながら、その神経基盤の全容は明らかとなっていない。本研究では、皮質全体の活動を記録できる広域Ca2+イメージング技術と、領野間の神経回路を標識することができるウイルストレーシング技術、および神経修飾物質の蛍光センサータンパク質を導入する。これにより、特定の領野だけでなく皮質全体と領野間の連絡も含めて神経修飾物質が視覚情報処理および視知覚に与える修飾作用の神経機序解明を目指す。
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研究成果の概要 |
本研究は、神経修飾物質が神経活動および視知覚に与える影響とその神経機序を明らかにすることを目的とした。神経修飾物質のひとつであるアセチルコリンの蛍光センサータンパク質と大脳皮質全域をイメージングできる広域イメージング法を用いて、視覚刺激検出課題中のマウスの大脳皮質からアセチルコリン動態のイメージングを行った。その結果、皮質領域ごとに異なる蛍光強度変化が観察された。またその蛍光強度変化が学習に伴って変化していくことが確認された。さらに広域顕微鏡を改良し多色イメージングシステムを構築し、アセチルコリン動態と神経活動の同時記録を行うことに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、血液脳関門透過性アデノ随伴ウイルスベクターと広域顕微鏡による多色イメージングシステムを用いることで、アセチルコリン動態と神経活動の同時記録を行うことに成功した。課題遂行中の大脳皮質広域におけるアセチルコリン動態と神経活動の同時記録は報告がなく、これはアセチルコリンをはじめとする神経修飾物質の視知覚調節機序の解明における重要な成果であると考える。神経修飾物質は、その過剰放出や枯渇といった異常が神経・精神疾患に関与していることが知られていることから、これらの神経機序の解明および治療法の確立につながる重要な知見であると考える。
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