研究課題/領域番号 |
21K15621
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 信州大学 |
研究代表者 |
佐藤 充人 信州大学, 医学部, 特任助教 (10816630)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,860千円 (直接経費: 2,200千円、間接経費: 660千円)
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キーワード | 尿中細胞 / 筋強直性ジストロフィー / 細胞モデル / 筋強直性ジストロフィー1型 / 骨格筋 |
研究開始時の研究の概要 |
ヒトの自然排出される尿には良好な増殖能、多分化能を有する細胞が存在し、これを尿中細胞と呼ぶ。本研究では筋強直性ジストロフィー1型(DM1)の患者より採取した尿中細胞に、筋制御因子であるMYOD1をレトロウイルスベクターを用いて遺伝子導入し、それを骨格筋細胞へとダイレクトリプログラミングすることで、患者病態を反映した疾患細胞モデルの確立を目指す。得られた骨格筋細胞モデルは病態評価・治療薬スクリーニングに有用であり、病態解明や新規治療標的の探索、ドラッグリポジショニング戦略による新規治療候補薬の探索を行う。
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研究成果の概要 |
DM1患者尿より分離・培養した尿中細胞は、DM1病態を反映する核内RNA凝集体(RNA foci)の形成、RNA fociとMBNL1の共在、継代に伴うCTGリピートの伸長を示した。DMPK遺伝子を標的としたsiRNAによりRNA fociは減少を認めており、尿中細胞は治療開発に用いる細胞モデルとして使用できる可能性を示した。尿中細胞が多様な細胞種からなる集団であることが筋分化誘導の妨げとなっており、本研究期間内では目的としたDM1骨格筋細胞モデルの構築には至らなかったが、尿中細胞は個々の患者の病態を反映し、個別化医療の開発に寄与する有用なツールであること提示できた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究期間内では目的としたDM1骨格筋細胞モデルの構築には至らなかったが、DM1患者由来の尿中細胞は病態の根本的原因である核内RNA凝集体の形成、継代に伴うCTGリピート伸長を呈しており、患者病態を反映したバイオマーカーとしてのポテンシャルを示すことができた。尿中細胞は個々の患者の病態に応じた個別化医療の開発に寄与する有用なツールであることを提示することができたと考える。
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