研究課題/領域番号 |
21K15622
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 滋賀医科大学 (2022) 名古屋大学 (2021) |
研究代表者 |
藤岡 祐介 滋賀医科大学, 神経難病研究センター, 助教 (70896381)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | プレオトロピン / ALS/FTLD / グリア細胞 / FUS / ALS / FTLD |
研究開始時の研究の概要 |
筋萎縮性硬化症/前頭側頭葉変性症(ALS/FTLD)は致死性神経難病であり新規治療法の確立は急務である。申請者はグリア細胞において家族性ALS/FTLD原因遺伝子FUSの機能喪失時に神経栄養因子プレオトロピン(Ptn)が特異的に分泌されることを独自網羅解析から見出し,このグリア細胞の神経保護効果を治療に応用するという着想に至った。 治療戦略の主眼は神経細胞周囲に十分量のPtnを供給することであるが、本研究では「リコンビナント-Ptn投与による治療」に加え「アデノ随伴ウイルスによるグリア細胞のPtn分泌賦活(FUSの発現抑制、Ptn強制発現)」についても検討を行い、新たな治療戦略の創出を目指す。
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研究実績の概要 |
ALS/FTLDの病初期にみられるグリア細胞の神経保護効果を維持、活用するという独自の治療戦略の有用性を示すため、十分量のプレオトロピンを変性神経細胞周囲に供給させる方法として①リコンビナント-プレオトロピンの補充(定期的髄腔内投与)を検証した。プレオトロピンはグリア細胞におけるFUSの機能喪失等ALS/FTLD病態の進展に即応して分泌される生理的かつ強力な神経栄養因子であるため、これまでの神経栄養因子補充療法に比べて高い効果が期待される。 初年度であるR3年度に引き続き、リコンビナント-プレオトロピンの髄腔内/脳室内投与に伴い特筆すべき副作用が見られないことを病理学的検討を含めて確認した。 R4年度より病態モデルマウスであるFUS conditional knockout(CKO)マウスモデルを用いて投与開始時期、投与回数、用量の妥当性を検討を行った。この結果に基きFUS CKOマウスモデルへのリコンビナント-プレオトロピン髄腔内投与を施行し、生存率、運動機能に変化は見られなかったが、高架式十字試験やオープンフィールド試験にて高次機能障害の改善傾向を認めた。 またR4年度はAAV投与によるグリア細胞の賦活による神経保護効果の検証を行うためのウイルス作成を問題なく行った。R5年度、他モデルマウスにおける有用性確認および経時的な病理学的検討を施行する。さらに、AAV投与によるグリア細胞の賦活による神経保護効果の検証を並行して行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
大学の異動に伴い、動物行動実験の遂行およびモデルマウスの用意に一時的な支障を生じた。現在、動物行動実験を前施設と同等に行うことが可能となり、モデルマウスの準備に関しても支障とならないことを確認した。
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今後の研究の推進方策 |
リコンビナント-プレオトロピンの補充(定期的髄腔内投与)の至適投与方法を確認後、病態モデルマウスであるFUS conditional knockout(CKO)マウスモデルを用いて治療効果判定を完遂する。大学異動に伴いMRIによる検討することが困難となっていることからより詳細な病理学的検討をもって代替する予定である。また、他モデルマウスによる検討を行うため、モデルマウス作出、搬入を予定していたが、R4年度に動物施設も変更となったため、一部計画の見直しを行った。今後の行動実験に関してもこれまでと同等の内容を遂行することが一時困難であったが、現在施設改修が完了し今後は施行可能となっている。 またもう1つの治療戦略として、グリア細胞の神経保護効果の賦活の検討に着手する予定である。賦活の方法として -1) AAVを用いグリア細胞のFUSを発現抑制しプレオトロピンを持続的に分泌させる方法を検討している。リコンビナント製剤投与時と同様の効果実証を進めていく予定である。
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