研究課題/領域番号 |
21K15629
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分51030:病態神経科学関連
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研究機関 | 札幌医科大学 |
研究代表者 |
岩原 直敏 札幌医科大学, 医学部, 助教 (00613085)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | 細胞膜修復 / SIRT1 / CTTN / 骨格筋 / 筋ジストロフィー / 膜修復 / オートファジー / Actin / 細胞膜 |
研究開始時の研究の概要 |
筋ジストロフィー症とは変性/再生を主病変とする筋疾患である.我々は タンパク質脱アセチル酵素 SIRT1 の活性化薬であるレスベラトロールが,筋ジストロフィー 症モデルマウスの骨格筋変性を軽減することを明らかにした.そこで SIRT1 と細胞損傷の関連を検討した結果,SIRT1 の機能を阻害した細胞では細胞 膜の修復が遅延することがわかった.このことから「レスベラトロールは骨格筋の細胞膜修 復を促進することにより,筋ジストロフィー症の症状を改善する」と仮説を立てた.本研究 は SIRT1 による細胞膜修復の分子メカニズム明らかにし,レスベラトロールによる細胞膜修復促進作用について検討する.
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研究成果の概要 |
SIRT1の活性化薬であるレスベラトロールは,筋ジストロフィー症とそのモデルマウスの症状を改善することが,我々を含め複数のグループから報告されている.今回我々は,レスベラトロールの膜修復に対する効果を検討した.レスベラトロールは,C 2C12細胞を用いたアッセイにて,膜修復を促進することを確認した.また,その効果は,CTTNの脱アセチル化を介している可能性が示唆された.次にレスベラトロールを摂取したマウスから分離した骨格筋単繊維では膜修復が促進していることを確認した.レスベラトロールは,SIRT1/CTTNを介して骨格筋の膜修復を改善していると考えられる.
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究によりSIRT1活性化薬であるレスベラトロールが,筋ジストロフィーをはじめとする筋疾患に対して有用であるメカニズムに骨格筋の細胞膜修復が関与する可能性が示された.現在,膜修復を標的とした薬剤の臨床応用はされておらず,新規メカニズムの薬剤開発において重要な知見であると考える.特に今回使用したレスベラトロールについては,我々が既に筋ジストロフィー患者への安全性および効果について報告した薬剤であり,今後は,大規模での臨床試験実施が望まれる.
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