研究課題/領域番号 |
21K15639
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
片野 厚人 東京大学, 医学部附属病院, 講師 (80822410)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2021年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
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キーワード | 放射線治療 / 緩和医療 / 腫瘍出血 / 放射線量 / 治療スケジュール / がん / 止血効果 / 症状緩和 |
研究開始時の研究の概要 |
現在の緩和医療には対症的治療はもとより姑息的治療を目的とする放射線治療も包含される。腫瘍出血に対する放射線治療はその代表例の一つであり、一時的には50-90%の高い止血効果が得られることが知られている。しかしながら、その最適な放射線量・治療スケジュールは明らかではない。その最適な治療スケジュールを解明することは緩和医療分野において非常に有用であると考え本研究を発案した。本研究では、後ろ向き研究ならびに前向き研究の両方から止血目的の放射線治療を受けた患者の治療効果を放射線量・治療スケジュールの視点から評価し最適な放射線治療法を解明することを目的とする。
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研究実績の概要 |
放射線治療は、止血の管理において重要な役割を果たす治療法の一つである。しかし、放射線治療に対する止血応答や関連するリスク因子についての十分な評価はまだ不十分であった。本研究では、当院で放射線治療を受けた患者に対する後方視解析を行い、治療の効果とリスク因子を明らかにすることを目的として研究を継続した。 当院において止血目的に放射線治療を受けた患者の電子カルテおよび治療計画データを収集し、後方視研究を行った。収集したデータから、放射線治療の線量・スケジュールを抽出し、全患者に対する止血応答率、初期止血応答後の再出血率、治療中断率、全生存率、有害事象、治療完遂割合を評価した。さらに、患者背景因子として、年齢、性別、Karnofsky performance status、原発巣、組織診断、転移の有無、輸血などを抽出し、止血反応に対するリスク因子を同定した。 当院における放射線治療による止血目的の後方視解析では、治療の有効性と安全性が示された。さらに、特定の患者背景因子が止血反応に影響を与える可能性が示唆された。今後の研究では、これらのリスク因子をより詳細に検討し、治療戦略の最適化に向けた取り組みが求められる。 同研究実績を国際学会、国内学会、査読付きオープン雑誌で公表した。これにより本研究成果が他の研究者や医療関係者に広く知られるように研究を完遂した。一方、照射スケジュールの違いが、患者さん自身のQOLの違いや、および、ご家族のQOLに大きく関わることが示唆された。また、輸血量や入退院の状況、通院負担、介護負担なども異なるため、費用対効果分析などの必要性も認識され、今後の更なる研究であると考えられた。
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