研究課題/領域番号 |
21K15646
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 香川大学 |
研究代表者 |
千代 大翔 香川大学, 医学部附属病院, 助教 (50769346)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 4,030千円 (直接経費: 3,100千円、間接経費: 930千円)
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キーワード | 大腸癌 / microRNA / EMT / 上皮間葉転換 / ERK / Slug |
研究開始時の研究の概要 |
大腸癌は全ての癌の約16%を占める主要な癌である。内視鏡検査による早期診断技術が進歩している一方で、大腸癌による2018年の死亡数が約5万人となっており、今後更なる対策の必要な癌の一つである。microRNAはヒト疾患・各種の癌腫の早期検出バイオマーカーとしての可能性が期待されており、本研究では早期大腸癌のESDサンプルよりmicroRNAを抽出、網羅的に解析を行い、バイオマーカーとして可能性のあるmicroRNAを同定し、その機能についても解析を行う。
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研究成果の概要 |
本研究では早期大腸がんの検体から、がん部分と健康部分を取り、microRNA(miRNA)の違いを、2555種類のmiRNAについてを解析したところ、増加したmiRNAが11個、減少したmiRNAが15個検出した。続いて有意な変化の見られるmiR-452-5pを大腸がん細胞に導入し、細胞の増殖やがんの浸潤への影響を調査した。その結果miR-452-5pは、大腸がん細胞の増殖を促進し、浸潤を抑制することが明らかとなった。その機序としてERK経路の活性化やSlugの抑制が関与する可能性が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では早期大腸がんの新しいバイオマーカー候補のmiRNA(特にmiR-452-5p)を同定した。学術的意義として、大腸がんの発症・進行のメカニズムを理解することができ、さらなるがん研究に貢献する可能性がある。また、miR-452-5pが細胞の増殖や上皮間葉転換に関わる鍵となる分子である可能性が示唆されており、がんの進行と関連するシグナル経路を明らかにすることで、新たな治療法開発の糸口となる可能性がある。社会的意義として、早期大腸がんのバイオマーカーの同定は、早期診断や治療戦略の改善つながり、患者の治療成績を向上、医療費を削減つながる可能性がある。
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