研究課題/領域番号 |
21K15647
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
木村 朋子 (兵田朋子) 九州大学, 医学研究院, 助教 (20632772)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
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キーワード | 骨髄異形成症候群 / AXL / アポトーシス / TLR経路 |
研究開始時の研究の概要 |
新規マルチキナーゼ阻害剤Dubermatinib (TP0903:AXL受容体チロシンキナーゼ阻害剤)が、腫瘍細胞の増殖抑制と正常造血の促進を引き起こし、骨髄異形成症候群(MDS)の治療薬になり得るか、その有用性を検討する。MDSの進展には、MDS細胞自身や樹状細胞上のToll様受容体(TLR)経路の異常が引き起こす自然免疫反応が病態形成に重要であるが、MDS進行への寄与や、重症度により発現の差が生じる理由は明らかになっていない。腫瘍細胞に過剰発現し、腫瘍の増殖や転移に関与するAXLを阻害し、TLRシグナル経路の観点からMDSの病態形成を解明する。
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研究実績の概要 |
骨髄は全身を巡る血液細胞を産生する重要な造血組織である。骨髄異形成症候群(MDS)は骨髄中に生じた異常造血細胞が増加して正常造血が抑制された結果として起こる後天性の造血障害で、臨床的には貧血・血球減少から骨髄不全に陥る一方、しばしば急性骨髄性白血病(AML)へ移行する予後不良の骨髄疾患である。主に中高齢者が罹患し、人口の高齢化に伴い次第に増加しつつある疾患だが、造血幹細胞移植以外に根治的な治療法がなく、新規治療戦略が世界的に模索されている現状である。 AXLは受容体チロシンキナーゼで、様々な組織で広く発現しており、薬剤耐性の誘導・アポトーシス細胞のクリアランス・免疫反応の負の制御など多様な機能を有している。AXLは、血液腫瘍を含む様々な癌で過剰発現しており、その発現量は生存率の低さと相関しているとの報告もある。近年、AXLの活性化は様々な癌細胞において薬剤耐性を引き起こすことが明らかにされるなど癌の新規治療標的として注目されている。 前年度までに、AXL阻害剤(TP-0903)がMDS細胞株において、細胞増殖経路の阻害およびDNA損傷によるG2/M期停止によって細胞死を誘導することを明らかにした。今年度は、シグナル経路の誘導は、AXL と他の受容体チロシンキナーゼとの協同作用により誘導されていることを示した。また細胞周期調節因子の免疫染色では、薬剤処理により染色体不安定性や異数性が認められ、細胞分裂の制御不能を引き起こしていることが示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
2023年度に産育休を取得し、研究を中断したため。
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今後の研究の推進方策 |
遺伝子発現プロファイリングの解析を進め、MDS細胞株や白血病細胞株におけるTP-0903の作用機序を明らかにする。
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