研究課題/領域番号 |
21K15654
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 (2022-2023) 国立感染症研究所 (2021) |
研究代表者 |
赤堀 ゆきこ 東京大学, 大学院医学系研究科(医学部), 助教 (80782961)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 漢方 / 感冒 / 肺炎球菌 / 薬剤耐性菌 / バイアビリティ / サイトカイン / 細胞応答 |
研究開始時の研究の概要 |
肺炎球菌は呼吸器感染により発熱、咳嗽、呼吸困難等の症状を呈する肺炎を発症する。感冒及び肺炎に対して処方される漢方製剤については、病原体への直接的作用や宿主免疫の賦活作用が示されつつあるものの、作用機序には未解明な部分が多い。本研究では、感冒及び肺炎に対して処方される漢方方剤について、肺炎球菌に対する直接的作用、漢方及び漢方代謝産物の細胞への作用、漢方及び漢方代謝産物の肺炎球菌刺激細胞への作用を解析し、漢方作用機序の解明を目的とする。
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研究成果の概要 |
本研究は、感冒など呼吸器感染症状が見られる際に処方される漢方方剤11種の肺炎球菌(Sp)及び自然免疫細胞に対する作用の解明を目的に行った。本研究に用いた漢方方剤11種の内3種は、血清型に依存せずSp及び薬剤耐性Spに対して発育阻止能を示した。MIC、MBCの測定より、これらは殺菌的に働いていることが分かった。自然免疫細胞を漢方方剤で刺激したところ、TNF及びIL-6の濃度依存的な産生を認めた。一方、漢方方剤摂取マウス由来血清(漢方代謝産物)で自然免疫細胞を刺激したところ、濃度依存的なIL-1b産生を認めた。以上から、漢方方剤、漢方代謝産物の免疫細胞に対する異なる機序での作用が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
漢方方剤は、臨床的知見に基づいて広く医薬品として処方されているが、それら分子生物学的機序は明らかになっていないものが多い。一方、細菌感染症は薬剤耐性菌の増加が見られ治療の妨げとなっている。本研究により、一部の漢方方剤が直接的に肺炎球菌に対して殺菌的に働くことが明らかになった。漢方代謝産物では発育阻止能が確認されなかったものの、これらを詳細に解析することで、薬剤耐性菌を含めた新規薬剤の開発などにつながることが期待される。
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