研究課題/領域番号 |
21K15659
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
西川 尚子 東京大学, 医学部附属病院, 特任臨床医 (80814706)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | リゾリン脂質 / リゾホスファチジルセリン / 肝線維化 / リゾリン脂質メディエーター |
研究開始時の研究の概要 |
グリセロリゾリン脂質は多彩な生理活性作用を発揮するがその分子種による生理活性作用の相違については不明な点が多い。リゾリン脂質と肝線維化の関連ではリゾホスファチジン酸、スフィンゴシン1-リン酸が肝線維化と関連することが報告されている。リゾリン脂質に分類されるリゾホスファチジルセリン(LysoPS)は近年その特異的受容体(GPR174、GPR34、P2Y10)が同定され新規リゾリン脂質メディエーターとして注目され始めている。脂肪酸分子種と疾患をつなぐ新しい機序として新規リゾリン脂質分子種が関与していると仮説を立てた。今回我々はLysoPSが疾患に関与しているかということを明らかにすることを目指す。
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研究成果の概要 |
グリセロリゾリン脂質は多彩な生理活性作用を発揮するがその分子種による生理活性作用の相違については不明な点が多い。リゾリン脂質に分類されるリゾホスファチジルセリン(LysoPS)は近年その特異的受容体(GPR174、GPR34、P2Y10)が同定され新規リゾリン脂質メディエーターとして注目され始めている。今回我々はLysoPSが疾患、特に肝線維化に関与しているかということを明らかにすることを目指し、培養細胞および肝線維化モデルマウスおよびヒト血漿において、一部の脂肪酸分子種のLysoPSの有意な上昇を認めることを確認した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
培養細胞を用いた検討にて,LysoPSは肝臓の線維形成に関与していると推察された.またヒト検体では肝星細胞においてLysoPS受容体の発現亢進が認められ,LysoPSは肝線維化にも関与している可能性が示唆された.さらにマウス血漿において一部の脂肪酸分子種のLysoPSの上昇を認め,LysoPSの肝線維化マーカーとしての検査医学的応用の可能性が示唆された.今後受容体アンタゴニストによる肝線維化の治療法の開発,アゴニストによる癌進展抑制剤の開発などが期待される.
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