研究課題/領域番号 |
21K15666
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 北里大学 |
研究代表者 |
市倉 加奈子 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (00769044)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
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キーワード | がん / 心理療法 / 精神療法 / カウンセリング / 機械学習 / 分類 |
研究開始時の研究の概要 |
がん患者における不安や抑うつなどの精神的苦痛を軽減し、自殺を予防するために薬物療法だけでなく心理療法を実施することが推奨されている。しかし心理療法は、専門家の経験から体系化・伝承されてきた経緯があり、類似した支援が乱立しているため、患者や医療者にとって分かりづらい。本研究では機械学習を用いることで、このようにカテゴリ化することが極めて困難であった心理療法を内容的特徴から再分類することを目指す。また再分類されたカテゴリに基づいて効果予測ができれば、患者のニーズや状況ごとに有効な心理療法の推奨を示すことができる。
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研究実績の概要 |
がんの治療成績が飛躍的に向上する一方で、診断のショックや治療による負担は、患者に強い精神的苦痛をもたらす。がん患者の自殺率は依然として高く、患者の精神的苦痛を軽減することが重要課題である。これに対しては心理療法が推奨され、患者も医療者も支援を必要としているが、残念なことに実際に心理療法の受療に至るケースは少ない。その理由として、心理療法といっても様々なものがあり、患者や医療者にとって理解しづらいという点が高い障壁となっている。エビデンスに基づく医学的治療とは異なり、心理療法は専門家の経験から体系化・伝承されていくため、類似した支援が乱立している。したがって、まず研究1として、がん患者に対する様々な心理療法の種類や内容に関するデータを収集し、機械学習を用いて心理療法をカテゴリに再分類する。つづいて研究2として、患者の状況やニーズごとに、精神的苦痛改善に有効な心理療法カテゴリを明らかにする。 まず2021年度には研究1について倫理審査委員会の承認を得て、緩和ケアチームの心理職を対象とした全国調査を行った。2022年度は、研究1の解析を行い、がん心理療法のパターンが入院と外来で異なることを明らかにし、どのようなパターンがあるのかを整理し、2023年度の学会発表・論文執筆に向けた準備を行った。また研究2の実施準備として、使用するアウトカム評価尺度の標準化研究を追加し、倫理審査委員会の承認を得て、データ収集を開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
研究2に使用するアウトカムを再検討し、がん患者のQOLを評価する指標の一つとしてSEIQoLインタビュー評価尺度を選択したが、COVID-19感染拡大が著しく患者と対面したインタビューが難しい状況であったため、SEIQoLのオンライン使用に関する標準化研究の追加が必要となった。この追加研究において、がん患者の多くが高齢者でオンラインのインタビューが難しいため、リクルートに難渋している。したがって研究2の開始がやや遅れている状況である。
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今後の研究の推進方策 |
研究2の準備として実施している追加研究について、協力施設を増やしリクルートを拡大していく。データ収集が完了し次第、研究2の調査を開始する予定である。また、研究1の学会発表・論文執筆を通してアウトプットしていくとともに、専門家からの助言を得て、継続研究の計画を立案し、2024年度以降の研究費獲得を目指していく。
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