研究課題/領域番号 |
21K15671
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52010:内科学一般関連
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研究機関 | 東京慈恵会医科大学 (2022-2023) 香川大学 (2021) |
研究代表者 |
木戸口 慧 東京慈恵会医科大学, 医学部, 助教 (90896094)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | がん / 体液・電解質異常 / 悪性腫瘍 / 体液異常 / アルドステロン / 電解質異常 |
研究開始時の研究の概要 |
我々は肝細胞がんラットにおいて尿検査や血清アルブミンを含めた血液検査に異常が認められなくても皮膚や筋肉といった局所において体液・電解質異常がみられることを見出した.このラットでは生体のナトリウム貯留に携わるアルドステロンの上昇を認め,これが皮膚における水分,ナトリウム量の増加と強く関連することからアルドステロンの上昇ががんにおける体液・電解質異常の要因となっていることが示唆される.本研究では肝細胞がんにおける体液量,電解質異常におけるアルドステロンの寄与およびその上昇メカニズムを解明し、体液・電解質異常の予防・治療法開発に繋げることを目標とする.
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研究成果の概要 |
我々は浮腫や腹水といった体液・電解質異常をきたす典型的な悪性腫瘍である肝細胞がんにおいて、その体液・電解質異常の機序を同定すべく、ジエチルニトロサミンを用いた肝細胞がんモデルラットを作製した。結果、肝細胞がんモデルラットでは血液や尿とは独立して組織における相対的な水分・ナトリウム蓄積が起こっていることが明らかとなった。この組織における水分・ナトリウム蓄積には副腎からのアルドステロンの分泌亢進、筋肉におけるグルココルチコイド受容体の活性化、腎髄質における尿素集積などの体液保持機構の活性化が関与していることが明らかとなった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の検討により、がんにおいては浮腫や腹水といった所見が出現する前の早期段階から組織における体液・電解質異常が起こっていることが明らかとなった。また、この組織局所における体液・電解質異常は多臓器における体液保持機構が関与していることも併せて明らかとなった。近年、組織における体液・電解質異常と高血圧を含めた心血管疾患との関連を示唆する報告もみられており、がん患者における心血管疾患発症はこの組織における体液・電解質異常を介して起こっている可能性が示唆され、「組織における体液・電解質異常」に対する治療介入ががん患者の心血管疾患を抑制しうるという可能性を示した意味で社会的意義が大きいと考えている。
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