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アルツハイマー病のタウ病理形成におけるオートファジー関連蛋白ATG9Aの役割

研究課題

研究課題/領域番号 21K15675
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52020:神経内科学関連
研究機関群馬大学

研究代表者

笠原 浩生  群馬大学, 医学部附属病院, 助教 (80781898)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 2,600千円 (直接経費: 2,000千円、間接経費: 600千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワードアルツハイマー病 / タウ / オートファジー / ATG9A / 変性神経突起
研究開始時の研究の概要

アルツハイマー病(AD)では、脳内にアミロイドβが蓄積し、リン酸化タウ蛋白が凝集し神経細胞が変性する。ADの病理的特徴である老人斑には、リン酸化タウ蛋白が存在する変性神経突起(DNs)を認める。DNsにはオートファジー小胞が集積し、オートファジーの異常が病態に関与すると想定される。本研究ではオートファジー関連蛋白であるATG9Aに着目し、DNsにおけるATG9A蓄積を病理的に検討し、DNs形成におけるATG9Aの関与を明らかにする。またタウ遺伝子を導入した培養細胞モデルを用い、siRNAによってATG9Aの発現を抑制した状態でのタウ蛋白発現を調査し、ATG9Aとタウ蛋白との関連を明らかにする。

研究実績の概要

アルツハイマー病(AD)のタウ病理形成におけるATG9Aの関与について解明することを目的として研究を行った。
令和3年度には神経変性疾患の各種病理マーカーにおけるATG9Aの局在を免疫組織学的に検討し、神経変性疾患で生じる各種病理マーカーのうち、ADの変性神経突起にのみATG9Aが局在することを確認した。さらに、タウ遺伝子を導入した培養細胞モデルを用いて、siRNAによってATG9Aの発現を抑制した状態でのタウ蛋白発現を、ウエスタンブロッティングによって検討したところ、ATG9AのsiRNAを導入した培養細胞のRIPA可溶性画分は、対照のsiRNAを導入した培養細胞に比べてタウ蛋白の発現が低下していることを確認した。以上の結果から、オートファジーの異常でタウ蛋白の発現に変化が生じる可能性があり、タウ病理形成においてATG9Aが関与していることが示唆されると考えられた。
令和4年度には、ATG9AのsiRNAを導入した培養細胞のRIPA不溶性画分についてもRIPA可溶性画分と同様の検討を行った。ATG9AのsiRNAを導入した培養細胞のRIPA不溶性画分は、対照のsiRNAを導入した培養細胞に比べてタウ蛋白の発現が低下している傾向を認めたが、複数回の検討を行ったところ、統計学的に有意な結果は得られなかった。
令和5年度には、RIPA不溶分画の可溶化のために種々のバッファーを用いた検討を行ったが、尿素、ギ酸やサルコシルなどでも十分な可溶化が得られておらず、検討を続ける予定である。今後はsiRNAのノックダウン効率を上げる方法の検討や、蛋白抽出の最適条件についても検討を行っていく予定である。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

タウ遺伝子を導入して培養細胞モデルを用いて、siRNAによるATG9Aノックダウンによるタウ発現の変化をウエスタンブロッティングによって検討しており、RIPA可溶画分については一定の傾向を認めたが、RIPA不溶画分の検討が不十分である。尿素、ギ酸やサルコシルなどでも十分な可溶化が得られておらず、研究遂行に想像以上に時間を要している。さらに、COVID19感染症の拡大により研究者のその他の業務多忙があり、当初計画の遅延が生じている。

今後の研究の推進方策

研究期間の延長を申請し、令和6年度まで研究を継続する。
今後は、タウ遺伝子を導入した培養細胞モデルにおいて、ATG9AのsiRNAの導入の有無によって、RIPA不溶性画分のタウ蛋白発現に違いがあるかを検討していく。RIPA不溶分画の可溶化のために種々のバッファーを用いた検討を行っているが、十分な可溶化が得られず、バッファー使用時の条件などを細かく調整していく。さらにsiRNAのノックダウン効率を上げる方法の検討や、蛋白抽出の最適条件についても検討する。
安定した条件が確認できれば、複数回の検討を行い、結果が有意なものであるか統計学的な検討を行う。培養細胞モデルでオートファジー関連蛋白とタウ蛋白の関係性を示すことを目標とする。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (10件)

すべて 2023 2022 2021

すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (8件)

  • [雑誌論文] The relationship between amyloid-β accumulation and cerebrovascular disease in Alzheimer’s disease: role of amyloid positron emission tomography.2023

    • 著者名/発表者名
      Hiroo Kasahara, Masaki Ikeda, Yoshio Ikeda
    • 雑誌名

      Vas-Cog Journal(Japanese Society of Vascular Cognitive Impairment)

      巻: 9 ページ: 5-8

    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス
  • [雑誌論文] Multimodal immunotherapy ameliorates myasthenia gravis preceded by thymoma-associated multiorgan autoimmunity2022

    • 著者名/発表者名
      Kasahara Hiroo、Shimizu Kazuki、Makioka Kouki、Sano Takaaki、Ohtaki Yoichi、Ikeda Yoshio
    • 雑誌名

      Immunologic Research

      巻: 70 号: 3 ページ: 414-418

    • DOI

      10.1007/s12026-022-09273-0

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり
  • [学会発表] オートファジー関連蛋白ATG9Aとタウ蛋白の関連についての検討.2023

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生,牧岡幸樹,池田佳生.
    • 学会等名
      第12回日本認知症予防学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] 当院通院中のMCI における大脳白質病変と神経心理検査の関連解析.2023

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生,牧岡幸樹,池田佳生.
    • 学会等名
      第13回日本脳血管・認知症学会学術大会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Relationship between ATG9A and Tau proteins.2023

    • 著者名/発表者名
      Kasahara H, Makioka K, Ikeda Y.
    • 学会等名
      第64回日本神経学会学術集会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] Immunolocalization of ATG9A in dystrophic neurites in Alzheimer's disease.2022

    • 著者名/発表者名
      Kasahara Hiroo, Makioka Kouki, Ikeda Yoshio
    • 学会等名
      第63回日本神経学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アルツハイマー病の変性神経突起におけるオートファジー関連蛋白ATG9Aの局在.2022

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生,牧岡幸樹,池田佳生
    • 学会等名
      第11回日本認知症予防学会学術集会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アセチルコリンエステラーゼ阻害薬の効果に対する脳虚血性変化の影響.2022

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生,池田将樹,池田佳生
    • 学会等名
      第12回日本脳血管・認知症学会学術大会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] アルツハイマー病患者における,脳アミロイド蓄積と大脳白質病変との定量的解析2021

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生、池田将樹、池田佳生
    • 学会等名
      第62回日本神経学会学術大会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書
  • [学会発表] アミロイドPETを施行した認知症患者におけるMRI上虚血性変化の定量的解析2021

    • 著者名/発表者名
      笠原浩生、池田将樹、池田佳生
    • 学会等名
      第10回日本認知症予防学会学術集会
    • 関連する報告書
      2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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