研究課題/領域番号 |
21K15678
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 三重大学 |
研究代表者 |
石川 英洋 三重大学, 医学系研究科, 助教 (00793499)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2023年度: 1,430千円 (直接経費: 1,100千円、間接経費: 330千円)
2022年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2021年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
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キーワード | アミロイドβ / 加齢 / 大脳白質 / RNA / 遺伝子発現変化 / 脳アミロイド血管症 / BCAS / 大脳白質病変 / 脳小血管病 / 慢性脳低灌流 / 血管性認知症 / 認知症 / 脳卒中 / アルツハイマー病 / インフラマソーム |
研究開始時の研究の概要 |
野生型および疾患モデルマウスにおける無菌性炎症に関与する蛋白の発現、分布を調査し、慢性脳虚血負荷によりそれらの発現、分布がどのように変化するかを確認する。アミロイドβ(Aβ)を過剰発現するマウスでは慢性虚血負荷による血管へのAβ蓄積、病態促進を確認する。 以上の実験で得られた情報からターゲットとなるラット培養細胞を作成し、通常の状態における炎症関連蛋白の発現、慢性虚血負荷(CoCl2投与)後の変化を検討する。インフラマソーム阻害効果のある物質が脳アミロイド血管症において治療選択肢になりうるかどうかを明らかにする。認知症、虚血性脳血管障害の病態解明および治療に貢献する結果を得ることを目指す。
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研究実績の概要 |
若年(5か月齢、n=12)と高齢(24か月齢、n=12)の野生型マウス(雄)を用いて、大脳白質の遺伝子発現が加齢によってどのように変化するかを調査した。マウスの脳梁のサンプリング、RNA抽出を行い、bulk-RNAシーケンスを施行した。機能解析の結果、高齢マウスでは若年マウスと比較して補体古典経路に関連する遺伝子発現が上昇していた。 高齢マウスで有意に発現が上昇していた遺伝子がコードする蛋白質の中には、アルツハイマー病モデルマウスである5xFADでアミロイドβ凝集に影響するとされるものが含まれていた。研究成果は、2023年米国神経学会で発表した。 ビデオ自動追跡・行動解析装置(EthoVision XT 15, Noldus)を用いたY迷路試験、新奇物体認識試験を野生型の若年マウスで施行し、これまで目視では評価できていなかった評価時間内の移動距離や移動速度の変化が明らかになった。 本研究で用いる両側頸動脈狭窄(BCAS:Bilateral carotid artery stenosis)手術を施行して作成する血管性認知症のモデルマウスについて、総説を投稿し、国際誌(JCBFM)に掲載された。この総説では、現在世界中で用いられているBCASの手法の詳細や、本マウスの分子病態、トランスジェニックマウスを用いた研究の発展と応用の既報告や今後の見解についてまとめられており、認知症の病態解明、新規治療ターゲットの特定に寄与することが期待できる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
アミロイド血管症モデルマウスの個体数が予定数に達せず、疾患モデルマウス群の研究開始が遅れているため。
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今後の研究の推進方策 |
ビデオ自動追跡・行動解析装置(EthoVision XT 15, Noldus)を用いて高齢マウスや慢性脳虚血を負荷する手術(BCAS)を行ったマウスの認知行動評価の改善を行う。また、疾患モデルマウスで慢性虚血や加齢による遺伝子発現変化や蛋白発現変化の評価を行う。
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