研究課題/領域番号 |
21K15682
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
赤嶺 祥真 大阪大学, 大学院医学系研究科, 助教 (00846222)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2022年度: 1,560千円 (直接経費: 1,200千円、間接経費: 360千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
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キーワード | 細胞外小胞 / エクソソーム / 認知症 / 血液バイオマーカー / プロテアーゼ保護アッセイ / バイオマーカー / アルツハイマー病 / リキッドバイオプシー |
研究開始時の研究の概要 |
ほぼ全ての細胞は小胞を分泌しており、これらは細胞外小胞(EV)と呼ばれる。EVの内容物は脂質二重膜で保護され、分泌された後も外界の影響を受けにくい。 近年、血中の神経由来蛋白を超高感度で測定しバイオマーカーとする検証が進んでいるが、血中では死細胞から漏出したものと生細胞から放出されたものが混合しており、現時点ではこれらを区別することができない。 本研究では「生きた細胞から放出されたEV内蛋白」を分離・測定する技術を確立し、生細胞内における変化に焦点を絞って評価する手法を提案する。本研究により、血液から脳の状態をより正確に把握する「脳のリキッドバイオプシー」の手法が更に深化することが期待できる。
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研究実績の概要 |
本年度は、前年度において最適化したEV分離およびプロテアーゼ処理、後処理の条件に基づき、ヒト血漿をもちいてアッセイ適用を検討した。高感度測定系での条件検討に際して、一部試薬の価格高騰等に伴い使用試薬の変更を余儀なくされたため、条件の再検討を実施し代替試薬でも同様の結果が得られる事を確認した。結果的には、幸いにも測定に際して要する費用の低減を実現する事ができた。 次いで、健常ヒト血漿において測定の再現性を評価し、その結果に基づきプロトコルの改善(より詳細な具体化)を行った。検討にあたっては複数の個人から得られたサンプルを用い、個人間の差異(変動量)も評価対象とした。また、測定にあたっての希釈法・EV膜溶解法の検討を更に実施した。複数のバッファーおよび界面活性剤を用い、EVの酵素処理時に加えて、測定時に際しての条件変更によりバックグラウンドを低減し、よりシグナル・ノイズ比を高められる手法を検討した。これにより、疾患群に対してシグナル値がより低いと考えられる健常者や発症前段階においても測定値をより安定的に算出できるようにし、測定値を二値ではなく連続変数として扱える可能性をより増すものとした。 最終的な血液バイオマーカーとしての妥当性・有用性検証のため、認知症患者血漿での測定を予定している。対象疾患は当初の予定通りとし、サンプルの臨床情報を整理・準備している段階である。既に収集・保存された臨床サンプルを利用する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
高感度測定系での条件検討に際して、一部試薬の価格高騰等に伴い使用試薬の変更を余儀なくされたため、条件の再検討を実施し代替試薬でも同様の結果が得られる事を確認する必要があった。また、測定の再現性などの検討に想定よりも時間を要した。
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今後の研究の推進方策 |
認知症患者血漿を用いた本アッセイによる測定を予定している。サンプルは既に収集・保存されたものを用い、臨床情報と紐づいた状態にある。
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