研究課題/領域番号 |
21K15688
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛 |
研究代表者 |
本郷 悠 防衛医科大学校(医学教育部医学科進学課程及び専門課程、動物実験施設、共同利用研究施設、病院並びに防衛, 内科学, 助教 (60813798)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2025年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
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キーワード | CCPD / CIDP / NF155 / 動物モデル / 脱髄疾患 / NF155抗体 / 脱髄性疾患 |
研究開始時の研究の概要 |
中枢神経(脳や脊髄)と末梢神経(手足の末端にあり,運動や感覚などを司る神経)の両方に障害を起こす「中枢末梢連合脱髄症(CCPD)」と呼ばれる疾患の発症メカニズムを解明するための研究を行います.CCPD患者さんの血液から得たNF155抗体を動物の神経系に投与し,動物が疾患を発症するか,発症するとすればどのような仕組みによるのかを解明することを目指します.
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研究実績の概要 |
昨年度に引き続き、ヒトNF155抗体陽性の中枢末梢連合脱髄症(CCPD)の臨床例から抽出した血清IgG(CCPD-IgG)をマウス中枢神経に慢性投与することで、CCPDの 動物モデル作出を試みている。昨年までの検討で、1. CCPD-IgG投与群では、正常ヒトIgG投与群に比して歩行時の後肢歩隔が有意に拡大すること、2. CCPD-IgG 投与群の脳組織検討ではミクログリア特異的にIgG沈着が認められ、この現象は正常ヒトIgG投与群では認められないこと、3.NF155抗体陽性で末梢神経障害のみを示す例(AN例)のIgG(AN-IgG)をマウス中枢神経に投与しても、CCPD-IgG投与群と異なり、有意な行動異常も中枢病変も惹起されないことを見出した。上記1~3で確認できた現象を踏まえ、以下のような検証を行った。 a. CCPD-IgGについて、NF155抗原による吸収処理を行った抗体(CCPD-NF155(-)-IgG)をマウス中枢神経に投与し、病理組織検討をおこなった。b. マウス全脳ライセ―トを用いたWestern blotを行い、CCPD-IgGとAN-IgGの反応性の比較をおこなった。 a. の結果、CCPD-NF(-)-IgGを投与しても、マウスのミクログリアにはIgG沈着が認められることを確認した。すなわち、CCPD/AN-IgGをマウス中枢神経に投与した場合の反応しの差異は、NF155抗体と併存し、ミクログリアに反応するなんらかのIgG抗体によって惹起されている可能性が示唆された。また、b.の結果、CCPD-IgGを用いたWestern blotでのみ、70‐80kDaと40kDaに特異的なバンドを認めた。これらの結果は、NF155抗体陽性CCPDが、NF155抗体と併存する未知の抗体によって発症する可能性を示唆すると考えられる。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
概ね計画通りに進捗している。
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今後の研究の推進方策 |
今年度の検討で見いだされた、CCPD-IgGが反応性を有する、40kDaもしくは70‐80kDaの蛋白の同定を行う予定である。
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