研究課題/領域番号 |
21K15693
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
山田 晋一郎 名古屋大学, 医学部附属病院, 医員 (60828375)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 球脊髄性筋萎縮症 / Clチャネル / メキシレチン塩酸塩 / リバーストランスレーショナルリサーチ / イオンチャネル / Titin / titin |
研究開始時の研究の概要 |
球脊髄性筋萎縮症(SBMA)では異常アンドロゲン受容体が運動ニューロンと骨格筋の変性を惹起するが、筋力低下に至る分子機構は十分解明されていない。本研究では、SBMA患者及びSBMAモデルマウスの骨格筋におけるClチャネル発現低下に伴うNa電流異常に着目し、病態特異的な機能異常を解明する。モデルマウスに対してメキシチレン塩酸塩を投与し、運動解析や生存解析を行うことで治療標的としての妥当性を検証する。また、患者から得られる生体試料と臨床情報を統合して解析し、病態を反映するバイオマーカーを同定することで、ヒト病態に基づくSBMAの神経筋変性病態におけるイオンチャネル機能障害の分子基盤を明らかにする。
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研究成果の概要 |
本研究の目的は、SBMAの骨格筋におけるClチャネル発現低下に伴うNa電流異常に着目し、モデルマウスに対してメキシチレン塩酸塩を投与することで運動解析や生存解析を行い、治療標的としての妥当性を検証し、同時に、患者から得られる生体試料と臨床情報を解析し、病態を反映するバイオマーカーを同定することである。SBMAのモデルマウスにメキシレチン塩酸塩を経口投与あるいは腹腔内投与して運動解析や生存解析を行った結果、メキシレチン塩酸塩投与群において握力の改善や生存期間の延長を認め、横紋筋特異的に発現する蛋白質であるTitinは、運動ニューロン疾患とくにSBMA患者において尿中Titin値が上昇していた。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究により、モデルマウスの基礎的研究を通じて明らかになった疾病の分子メカニズムと多数の患者レジストリーから得た神経症状のバイオマーカーを一元化してSBMAの骨格筋病態とイオンチャネルの関与の一端を明らかにし、同病態に対するメキシレチン塩酸塩の効果を裏付けた。SBMAと同様に運動ニューロンが障害される筋萎縮性側索硬化症においても、イオンチャネルの障害が神経の過興奮性を惹起し、病態の進展に関与する可能性が指摘されていることから、世界各地でイオンチャネルに着目した骨格筋変性メカニズムの解明研究が行われており、今後の神経変性疾患に対する治療法開発のモデルとなることも期待される。
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