研究課題/領域番号 |
21K15697
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
|
研究機関 | 神戸大学 |
研究代表者 |
関 恒慶 神戸大学, 医学部附属病院, 助教 (10878424)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2023年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
|
キーワード | アルツハイマー / GAL3BP / アルツハイマー病 / Aβ / GAL3BP発現トランスジェニックマウス / ADモデルマウス / NCBI GEO |
研究開始時の研究の概要 |
超高齢社会における認知症は重大な社会問題になっている。アルツハイマー病は最も多くみられる認知症で、生活環境や生活習慣病と大きく関連しているものの、有効な治療法は未だに存在しない。本研究では、申請者らが新たに見出した内因性のAβ制御分子GAL3BPに着目し、これがアルツハイマー病のバイオマーカー、治療標的となることを、アルツハマー病モデルマウス・細胞、剖検脳、血液サンプル、遺伝子発現情報データベースを用いて検証し、GAL3BPを用いた早期診断から治療までの戦略の基盤を構築することを目的とする。
|
研究実績の概要 |
現在、GAL3BP発現トランスジェニックマウスを作出し、ADモデルマウスAPPNL-G-F/NL-G-Fマウス(Saito et al, Nature Neurosci 2014:理研BRCより購入)と掛け合わせている。得られた二重変異マウス(ヘテロ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)の評価をおこなったが、GAL3BPの発現は見られたが、現状では、Aβの明らかな変化は見られなかった。引き続き作成中の二重変異マウス(ホモ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)指標に、GAL3BPのAβ産出抑制活性をin vivo で評価を続けている。神経病理は、神経炎症とシナプス変性を指標に、また、認知機能については、学習・記憶、社会行動に関するマウス行動解析試験(バーンズ迷路、T字型迷路)を実施し評価している。脳内のGAL3BP発現による、遺伝子発現変化も確認を行う準備も進めている。また、全身(肝臓を中心として)におけるGAL3BPの発現状況、臓器への影響(血中コレステロール値の変化など)も加えて評価を行っている。 NCBI GEO(Gene Expression Omnibus)はNCBIが提供、維持管理している遺伝子発現情報データベースであり、70万以上のプロファイルが利用できる。誰でも利用できるパブリックな実験データセットを利用して、ウェブ上で実行できる様々な遺伝子発現データ解析を駆使することによって、標的であるGAL3Bの発現量を変化させる食品、環境、薬剤の候補(現在、ポリフェノールやラッカイン酸、外傷)を選択し、それらを、アルツハイマー病モデル細胞:H4APPswに投与、環境調整し、細胞培地内でのGAL3BPの発現(遺伝子発現、タンパク)変化やAβ産出量(ELISA法)の測定を行っている。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
4: 遅れている
理由
計画を遂行予定だが、コロナ禍も含め、臨床業務の増大など、時間や人手の不足といった、当初予想していなかった状況もあり、予定よりも遅れた研究進捗となっている。また、GAL3BP、Aβの新規評価方向の手技会得にも時間がかかってしまった。
|
今後の研究の推進方策 |
現在、GAL3BP発現トランスジェニックマウスを作出し、ADモデルマウスAPPNL-G-F/NL-G-Fマウス(Saito et al, Nature Neurosci 2014:理研BRCより購入)と掛け合わせている。作成中の二重変異マウス(ホモ)の脳内でのAβ産出量(ELISA法)、脳標本でのAβ沈着量(免疫染色法)指標に、GAL3BPのAβ産出抑制活性をin vivo で評価を続けている。神経病理は、神経炎症とシナプス変性を指標に、また、認知機能については、学習・記憶、社会行動に関するマウス行動解析試験(バーンズ迷路、T字型迷路)を実施し評価している。脳内のGAL3BP発現による、遺伝子発現変化も確認を行う準備も進めている。また、全身(肝臓を中心として)におけるGAL3BPの発現、臓器への影響も加えて評価を行っている。 ヒト生体内でのGAL3BPのAβ産出機序への影響の十分な解明のため、アルツハイマー病患者の血液を収集し、血液中のGAL3BPの測定(ELISA法)を行い、年齢、病期、症状を含めて特徴、差異を評価することでバイオマーカーとしての可能性を検証している。 NCBI GEO(Gene Expression Omnibus)はNCBIが提供、維持管理している遺伝子発現情報データベースであり、70万以上のプロファイルが利用できる。誰でも利用できるパブリックな実験データセットを利用して、ウェブ上で実行できる様々な遺伝子発現データ解析を駆使することによって、標的であるGAL3Bの発現量を変化させる食品、環境、薬剤の候補(現在、ポリフェノールやラッカイン酸、外傷)を選択し、それらを、アルツハイマー病モデル細胞:H4APPswに投与、環境調整し、細胞培地内でのGAL3BPの発現(遺伝子発現、タンパク)変化やAβ産出量(ELISA法)の測定を行っている。
|