研究課題/領域番号 |
21K15699
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52020:神経内科学関連
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
宮上 紀之 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教 (10785497)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
3,510千円 (直接経費: 2,700千円、間接経費: 810千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
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キーワード | GDF15 / パーキンソン病 / パーキンソン症候群 / バイオマーカー / ミクログリア / 神経炎症 |
研究開始時の研究の概要 |
パーキンソン病 (PD) は、ミトコンドリア機能異常や神経炎症の関与が確認されているものの、その病態は未だ完全には解明されていない。我々は、PD患者では健常者と比較して血中Growth and Differentiation Factor 15 (GDF15) 濃度が上昇することを見出した。本研究では、PDの診断および病態評価におけるGDF15の有用性の検証、およびGDF15とPDの病態との関連の解明を目的とする。
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研究実績の概要 |
PD患者46人、進行性核上性麻痺(PSP)15人、多系統萎縮症(MSA)患者12人を対象とし、診断バイオマーカーとしてのGDF15の有効性を検討した。血中GDF15値は、PD患者が1394.67±558.46 pg/mLで、MSA患者の978.42±334.66 pg/mLより有意に高く(p=0.014)、PSP患者の1491.27±620.78 pg/mLと有意差はなかった(p=0.573)。各患者群で血中GDF15値と関連する因子を検討したところ、PD患者では、年齢(r=0.458、p=0.001)、罹病期間(r=0.314、p=0.034)、modified Rankin Scale(r=0.407、p=0.005)と相関を認めた。PSP患者では、年齢(r=0.565、p=0.028)とのみ相関を認め、MSA患者では、年齢(r=0.708、p=0.010)、罹病期間(r=-0.638、p=0.026)と相関がみられた。いずれの群においても血中GDF15値は年齢との間に正の相関を認めたことから、年齢を考慮した多変量解析を行ったところ、PD群とMSA群の間の血中GDF15値の差は有意ではなかった(p=0.144)。 次に、神経炎症の中核を担うミクログリアを介したGDF15の作用を検討した。フローサイトメトリーでは、GDF15投与ラットにおいてCD11b、CD45の発現が有意に増加した。ソーティングを行ったミクログリアにおいて、GDF15投与ラットではIL-1β、CD32のmRNA発現が有意に増加した。初代培養ミクログリアを用いた検討でも、GDF15はCD11bとCD45の発現およびIL1βとCD32のmRNA発現を有意に増加させ、さらに亜硝酸塩の産生も増加させた。片側PDモデルラットにおいて、健側に比べて病側ではGDF15のmRNA発現が有意に増加した。
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