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脳内のエネルギー利用パターンの変化に着目した摂食障害の新規治療法の探索

研究課題

研究課題/領域番号 21K15706
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関北海道大学

研究代表者

石川 修平  北海道大学, 大学病院, 助教 (30880091)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2025-03-31
研究課題ステータス 交付 (2021年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,080千円 (直接経費: 1,600千円、間接経費: 480千円)
キーワード神経性やせ症 / 過活動 / 動物モデル / 認知機能 / ケトン体 / モノカルボン酸トランスポーター / モデル動物
研究開始時の研究の概要

初年度は複数の神経性やせ症のモデル動物を作成し、神経性やせ症の病期を急性期、回復期、再発期に分けて、各期における症状(活動性・認知機能障害・不安・抑うつ症状など)の変化をモデル動物の性別、年齢に分けて、評価を行う。次年度以降はこれらの病期や要因毎に脳内のグルコース・乳酸・ケトン体濃度を測定するとともに、これらの物質の脳内の輸送に寄与するトランスポーターの発現変動を評価し、エネルギー利用パターンの変化と神経性やせ症の関連性を明らかにする。

研究実績の概要

本研究の目的は、神経性やせ症(AN)の症状や病期と脳内のエネルギー利用パターンの変化の関連性を検証し、神経性やせ症の治療法開発に向けた治療標的を探索することであり、初年度(令和3年度)の目標は神経性やせ症のモデル動物の作成であった。
研究実施計画書に記載された方法の通り、低栄養状態を反映したモデルとして、5日間、1日の 摂食時間を60分に制限(摂食制限)することで制限給餌モデル(FR)の作成および、回転かごを備えたケージ下で飼育し摂食制限を行うことで、神経性やせ症の主症状である過活動を併発したモデルである過活動性拒食症モデル(ABA)の作成を試みた。その結果、対照群(自由摂食かつ回転ケージ非稼動群、自由摂食かつ回転ケージ稼動群)と比較して、FR群とABA群では有意な体重減少が認められ、さらにABA群はFR群に比して、体重減少量が有意に多かった。さらに、対照群(自由摂食かつ回転ケージ稼動群)と比較して、ABA群の運動量は有意に増加しており、ABA群に過活動症状が認められることが明らかとなった。さらに、自由摂食かつ回転ケージ非稼動(CONTROL)群、自由摂食かつ回転ケージ稼動(EX)群、FR群、ABA群の認知機能を新規物質認識試験(NOR)、文脈的恐怖条件付け試験(CFC)にて評価したところ、いずれの試験においても、ABA群の認知機能が有意に低下していることが示された。また、先述の急性期(FR/ABA作成直後)の評価に加え、回復期(急性期後3-7日間、自由摂食させた後)、再発期(回復期の後にFR/ABAを再作成した直後)においても運動量の変化などを評価したところ、回復期においては、ABA群の過活動症状に改善が認められるものの、再発期には過活動症状が再燃し、症状の重症度が急性期よりも高くなることが示された。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

本研究の進捗は研究実施計画通りに進んでおり、順調である。本研究は当初、計画以上に進展する見通しであったが、機器の故障(プレパルスインヒビション)や新型コロナウイルス感染症の流行に伴い研究が中断したことにより、進捗が遅れた。

今後の研究の推進方策

今後の研究に関しては、研究実施計画の通り、作成されたモデル動物を用いて、脳内においてエネルギー源の輸送に関わる、グルコーストランスポーターおよびモノカルボン酸トランスポーターのタンパクおよび遺伝子発現量の変化を部位(脳、肝臓、腸、筋肉)毎に評価する。さらに、記憶に重要な役割を果たす脳部位である海馬にカニューレを挿入し、マイクロダイアリシス(脳内微小透析)やマイクロインジェクション法を用いて、脳内のエネルギー源(グルコース・乳酸・ケトン体)および神経伝達物質の濃度測定や治療薬の投与を行い、症状に対する寄与を評価する。

報告書

(1件)
  • 2021 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2022-12-28  

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