研究課題/領域番号 |
21K15707
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 山形大学 |
研究代表者 |
白田 稔則 山形大学, 医学部, 講師 (50772943)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
|
配分額 *注記 |
4,420千円 (直接経費: 3,400千円、間接経費: 1,020千円)
2023年度: 3,250千円 (直接経費: 2,500千円、間接経費: 750千円)
2022年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2021年度: 650千円 (直接経費: 500千円、間接経費: 150千円)
|
キーワード | オキシトシン / 自閉スペクトラム症 / 愛着関係 / パーソナリティ / 自閉症スペクトラム症 / うつ病親和性性格 |
研究開始時の研究の概要 |
3年間の研究期間内に、500例を対象とし、幼少時期に築かれた親子間の愛着関係、ASD傾向、対人関係敏感性と認知・態度の歪みをそれぞれParental Bonding Instrument(PBI)、Autism-Spectrum Quotient(AQ)、Interpersonal Sensitivity Measure (IPSM)、Dysfunctional Attitude Scale(DAS)を用いて評価する。また、先行研究で機能的と報告のあるOXT受容体遺伝子型をPCR法にて同定し、OXT血漿濃度をELISA法で測定する。得られた結果より、これらの要因間の包括的な関係を明らかにする。
|
研究成果の概要 |
研究期間中に計590人の対象が本研究にエントリーした。対象の自閉症スペクトラム傾向、親子間の愛着関係、うつ病に関連する性格傾向の評価を行い、オキシトシン受容体とμオピオイド受容体の遺伝子多型をPCR法にて同定し、血漿オキシトシン濃度をELISA法を用いて測定した。得られた結果および副次的評価項目より下記の研究成果が得られた。(1)オキシトシン受容体の遺伝子多型(rs53576)は養育態度と相互作用してうつ病に関連する損害回避傾向に影響を与える。(2)μオピオイド受容体の遺伝子多型(A118G)はうつ病に関連する社会指向性と対人関係過敏性に影響を与える。これらの知見を論文と関連学会にて公表した。
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでうつ病親和性性格とうつ病、自閉症スペクトラム症と不安定な愛着関係、自閉症スペクトラム症とオキシトシン機能、それぞれの関係を検討した報告はあるが、オキシトシン受容体の遺伝子多型、血漿オキシトシン濃度、自閉スペクトラム症傾向、愛着関係、うつ病親和性の性格傾向を包括的に検討した研究は行われていない。従って、本研究は学術的独自性と創造性が高いものであると考えられる。本研究により、オキシトシン受容体の遺伝子多型が養育態度と相互作用してうつ病に関連する性格傾向に影響を与えることが判明したが、この成果が自閉スペクトラム症患者におけるうつ病併発の病態解明や予防につながるものと考えられる。
|