研究課題/領域番号 |
21K15708
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
池亀 天平 東京大学, 医学部附属病院, 助教 (00836736)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,160千円 (直接経費: 3,200千円、間接経費: 960千円)
2023年度: 390千円 (直接経費: 300千円、間接経費: 90千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
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キーワード | セロトニントランスポーター / エピゲノム / DNAメチル化 / 思春期コホート / epigenetics / polygenic risk score / GWAS / エピジェネティクス / ポリジェニックリスクスコア / 思春期 |
研究開始時の研究の概要 |
近年、ゲノム・エピゲノム情報に基づき様々な疾患の発症リスク評価が行われているが、精神疾患発症リスクが最も高い思春期における体系的な評価は行われていない。本研究では大規模思春期コホートで取得された多様な思春期発達情報を評価するため、網羅的ゲノム・エピゲノム解析から得られたゲノム情報を用い新規ゲノム指標の開発を行う。これにより、思春期の健全な心身の発達評価に加え精神疾患リスク評価も可能となり、将来の疾患発症予防、予後予測、ライフスタイルの改善に繋がる医療的介入の実現が本研究の最終目標である。
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研究成果の概要 |
東京ティーンコホート(TTC)に参加した思春期児童は精神病理学的/行動学的問題に基づき5群に分類された。これに基づきTTCから抽出した縦断的唾液122サンプルにおけるCpG3/4のDNAメチル化率を測定し、CpG部位と性別で標準化した主成分スコアに対し線形混合モデル解析を行なった。結果、いずれの解析においても注意欠陥・多動や行為問題の症状を特徴とする外在化群に属する男性は非影響群の男性に比べて有意に低メチル化率を示し、思春期におけるSLC6A4の低メチル化と外在化特性の関連性が示唆された。また、ADHD_GWASによるPRSはpn-TTC検体の行為問題や注意欠陥・多動と有意な関連を示した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
精神疾患の発症におけるセロトニン系の機能とDNAメチル化との関連は多くの先行研究で示唆されているが、精神疾患発症リスクの高い思春期における関連については十分な解析がされていない。本研究の結果は思春期発達における精神病理学的/行動学的問題に着目し、外在化特性と低メチル化の関連を見出したことにより、思春期の健全な心身の発達評価および必要な早期介入手段を提供できる医療の実現に貢献する。本研究はゲノム科学、脳科学、発達心理学、精神医学などを融合した学際的研究であり、思春期に形成される脳と行動の多様性の基盤解明により、新たな総合人間科学の創出が期待される。
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