研究課題/領域番号 |
21K15711
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
李 海燕 京都大学, 医学研究科, 特定研究員 (90840314)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2023-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2022年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2022年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | 抗うつ薬 / うつ病 / 反応性 / 個体差 / 遺伝子発現 / 分子メカニズム |
研究開始時の研究の概要 |
次世代型抗うつ薬として非モノアミン系を標的とした薬剤開発が期待されているものの、動物試験で有効であっても臨床試験では効果不十分であったり、重篤な副作用が出現して開発が中断している。本提案では、従来の問題点を克服した新しい研究アプローチを用いることで、抗うつ作用に関わる新たな分子メカニズムを同定することを目的とする。具体的には、抗うつ薬に対する反応性の異なる近交系マウスを用いて、既存の抗うつ薬に対して抗うつ効果を示した反応群と効果を認めない非反応群を作製する。これら反応群と非反応群のマウス脳内神経活動、網羅的遺伝子発現解析を行い、抗うつ作用に重要な責任細胞集団・遺伝子群を同定する。
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研究成果の概要 |
心理・社会ストレスは、ストレス抵抗性・回復力や記憶・認知などの高次脳機能を低下させることで精神疾患の発症リスク増大につながると想定されている。一方、適度な運動は記憶形成に重要な脳海馬領域を活性化すること、低中等度のうつ病患者に対しては、運動療法が有効である可能性が示唆されている。しかし、運動トレーニングがストレスレジリエンスを獲得する脳内メカニズムはいまだに不明である。本研究課題では、申請者が独自に確立した妥当性の高いうつ病モデルマウスを用いて、独自に見出したエピジェネティクス制御分子に着目することで、運動によるストレスレジリエンス獲得の分子・神経メカニズム解明をめざした。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
これまでの運動と脳機能との関連研究の最大の問題点は、”現象論の記述”に留まっていることであり、運動トレーニングがストレスレジリエンスを獲得する脳内メカニズムはいまだに不明であった。本研究では、この問題点を克服するために、申請者が独自に確立した妥当性の高いうつ病モデルマウスを用いて、独自に見出したエピジェネティクス制御分子に着目することで、運動トレーニングによるストレスレジリエンス獲得の分子・神経メカニズムの一端を明らかにした。得られた成果は、運動による健康維持・増進の理解につながるだけでなく、ストレス性精神疾患の予防法や治療法の開発に資する可能性が期待できる。
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