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トランスオミクス解析による統合失調症の心血管系突然死の病態解明

研究課題

研究課題/領域番号 21K15716
研究種目

若手研究

配分区分基金
審査区分 小区分52030:精神神経科学関連
研究機関横浜市立大学

研究代表者

服部 早紀  横浜市立大学, 附属病院, 助教 (30880124)

研究期間 (年度) 2021-04-01 – 2026-03-31
研究課題ステータス 交付 (2023年度)
配分額 *注記
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2021年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
キーワード統合失調症 / 抗精神病薬 / 自律神経活動 / 脂質代謝 / 持効性注射剤 / 突然死 / 生命予後 / オミクス解析
研究開始時の研究の概要

申請者はこれまで、統合失調症患者の突然死の背景にある心血管性突然死の病態解明に取り組み、自律神経活動障害の関連を明らかにした。本研究では、プレリミナリーに、統合失調症患者を対象に脂質のメタボローム解析、リン酸化プロテオミクス解析、ゲノムワイドメチル化関連解析を行い、脂質代謝におけるトランスオミクスネットワーク異常を明らかにする。さらに、代表的な抗精神病薬投与下の条件での脂質代謝制御の変化を探る。これらより、統合失調症患者の生命予後不良の背景にある病態を解明する。

研究実績の概要

健常者を対象とした研究でオミクス的研究手法を用い、脂質代謝産物と自律神経活動の関連が指摘されたが、精神疾患患者を対象としたものは前例がない。そこで本研究では統合失調症患者を対象に脂質のメタボローム解析、リン酸化プロテオミクス解析、ゲノムワイドメチル化関連解析を行い、それらを統合解析し、健常者と比較した脂質代謝制御異常を明らかにすることを目的としている。さらに、代表的な抗精神病薬投与下の条件で脂質代謝制御の変化を探り、脂質代謝におけるトランスオミクスネットワーク異常が心血管性突然死に及ぼす影響を明らかにし、統合失調症患者の生命予後不良の背景にある病態を解明したいと研究を開始し、プレリミナリー研究として位置づけている。
未治療もしくは治療中断1ヶ月以上の統合失調症患者に研究に参加してもらうため、関連病院との連携強化に努めた。また、当院で統合失調症患者を対象に検体収集を開始し、キットを用いたDNA抽出、検体の保管、精神症状の評価、心拍変動パワースペクトル解析を用いた自律神経活動測定、臨床症状の評価、薬物履歴の調査を行った。
経過の中で、抗精神病薬持効性注射剤使用者が、経口剤使用者より心血管死亡が少ないと報告があり、剤型の病態との関連も疑われ、その詳細を解明するべく、前年度に引き続き調査を続け、アリピプラゾール持効性注射剤単剤使用者とパリペリドン持効性注射剤単剤使用者で薬剤の影響を比較検討し、その結果を学会でポスター発表を行った。
さらに、研究をすすめる中で、自律神経活動障害が、抗精神病薬による性機能低下といった副作用に関連している可能性が考えられたが、そのメカニズムは明らかになっていないため、ゼブラフィッシュを用いて、抗精神病薬ごとの影響を比較検討する実験を行った。現在実験と解析をすすめている。
そして、学会参加を行い、研究成果の発表、情報収集、知識の習得に努めた。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

4: 遅れている

理由

新型コロナウイルスの影響で入院および外来治療が大幅に縮小されたため、患者のリクルートが遅れた。また、自分自身が妊娠出産に伴い体調不良となり、かつ一時期、研究現場から離れたため、研究推進に遅れをきたした。

今後の研究の推進方策

本研究は、初めての、統合失調症において脂質代謝に着目したオミクス解析であり、プレリミナリーな研究と位置づけている。抗精神病薬を単剤ですでに治療中の患者については、該当者が多く検体収集が行いやすいため、集中してリクルートを行い、脂質代謝を網羅的に調査し、薬剤ごとで影響を比較する解析を行っていく。対象者が少ないが、治療中断もしくは未治療の患者に研究に参加してもらい解析を行うため、少数でも一例一例丁寧に該当患者のリクルートを行っていきたい。サンプル数が集まってから、エピジェネティック変化を調べるため、メチル化率を調査する解析を行っていく予定である。また、抗精神病薬の自律神経障害への影響を解明するため、現在行っているゼブラフィッシュを用いた抗精神病薬と副作用の関連性を調査する実験をさらにすすめていき、解析を行い、プレリミナリーな結果として論文化していく。この結果を、ヒトの実験、解析に応用していく。

報告書

(3件)
  • 2023 実施状況報告書
  • 2022 実施状況報告書
  • 2021 実施状況報告書
  • 研究成果

    (4件)

すべて 2023 2022

すべて 雑誌論文 (1件) (うち国際共著 1件、 査読あり 1件、 オープンアクセス 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Differences in autonomic nervous system activity between long-acting injectable aripiprazole and oral aripiprazole in schizophrenia2023

    • 著者名/発表者名
      Hattori Saki、Suda Akira、Kishida Ikuko、Miyauchi Masatoshi、Shiraishi Yohko、Noguchi Nobuhiko、Furuno Taku、Asami Takeshi、Fujibayashi Mami、Tsujita Natsuki、Ishii Chie、Ishii Norio、Saeki Takashi、Fukushima Tadashi、Moritani Toshio、Saigusa Yusuke、Hishimoto Akitoyo
    • 雑誌名

      BMC Psychiatry

      巻: 23 号: 1 ページ: 135-135

    • DOI

      10.1186/s12888-023-04617-y

    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
    • 査読あり / オープンアクセス / 国際共著
  • [学会発表] アリピプラゾール持効性注射とパリペリドン持効性注射剤の自律神経活動へ与える影響の比較2023

    • 著者名/発表者名
      服部早紀, 須田顕, 岸田郁子,, 宮内雅利, 白石洋子, 野口信彦, 藤林真美, 辻田那月, 石井千恵, 石井紀夫, 佐伯隆史, 福島瑞, 森谷敏夫, 菱本明豊
    • 学会等名
      第33回日本臨床精神神経薬理学会
    • 関連する報告書
      2023 実施状況報告書
  • [学会発表] アリピプラゾール経口剤とアリピプラゾール持効性注射剤の自律神経活動へ与える影響の比較2022

    • 著者名/発表者名
      服部早紀, 須田顕, 岸田郁子,, 宮内雅利, 古野拓, 白石洋子, 野口信彦, 藤林真美, 辻田那月, 石井千恵, 石井紀夫, 森谷敏夫, 菱本明豊
    • 学会等名
      日本臨床精神神経薬理学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書
  • [学会発表] 自律神経活動指標を用いた抗精神病薬の副作用およびリワークプログラムの効果 の検証2022

    • 著者名/発表者名
      服部早紀, 須田顕, 岸田郁子,, 宮内雅利, 古野拓, 白石洋子, 野口信彦, 藤林真美, 辻田那月, 石井千恵, 石井紀夫, 森谷敏夫, 菱本明豊
    • 学会等名
      日本精神神経学会
    • 関連する報告書
      2022 実施状況報告書

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公開日: 2021-04-28   更新日: 2024-12-25  

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