研究課題/領域番号 |
21K15720
|
研究種目 |
若手研究
|
配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
|
研究機関 | 東京慈恵会医科大学 |
研究代表者 |
曽根 大地 東京慈恵会医科大学, 医学部, 講師 (10802051)
|
研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2026-03-31
|
研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
|
配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2025年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2024年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
|
キーワード | てんかん / 脳画像 / 精神神経疾患 / 精神症状 / MRI |
研究開始時の研究の概要 |
本研究は、てんかんにおける精神・行動面の合併症(うつ・不安、精神病、発達障害等)につき、脳画像を用いてその脳神経メカニズムの解明を試みる。精神・行動的合併症は有病率が高く、てんかん患者の生活の質に及ぼす影響が大きい一方で、それが生じる脳のメカニズムについては報告が少ない。一般人口における精神・行動障害と同様のメカニズムを持つのか、それとも異なるのかにより、有効な治療法・介入法等についても差異がある可能性があり、これらの解明は治療法の改善点やその後の生活の質改善に寄与することが期待される。本研究では、高解像度脳MRI撮像と最先端の解析技術を用いることで、低侵襲にこれらを明らかにする。
|
研究実績の概要 |
2022年度はまず、てんかんに合併しうる重要な精神症状である精神病症状について、その神経基盤・メカニズム解明のため、発作間欠期の18F-FDG-PET画像およびMRIを解析し、小脳上部から中脳にかけての糖代謝亢進が起こっていることを発見し、国際学会(14th Asian & Oceanian Epilepsy Congress)および国際誌にて発表を行った(Sone D, et al. Epilepsia Open. 2022)。近年、小脳について、運動機能のみならず認知や感情との関連を示唆する報告が相次いでおり、てんかん精神病についても同部位の関わりが示唆された。その後、この結果に加えて、てんかんに合併する精神病症状の神経基盤と脳画像所見に関するこれまでの国内外の既報論文をまとめた総説を発表した(Sone D. Front Psychiatry. 2022)。更に、てんかんや他の精神神経疾患において更なる応用と発展が期待されるバイオマーカーであるNeuroimaging-Based Brain Age Estimationについても、100報以上の論文をまとめた総説を発表した(Sone D & Beheshti I. J Pers Med. 2022)。これらの総説論文により、てんかんの精神症状や脳画像バイオマーカーにおける現状と問題点が更に整理され、今後のこの分野の研究発展に寄与されることが期待される。現在は、拡散テンソル画像を用いた白質繊維に基づく新たなバイオマーカーについて、主に人工知能や機械学習の手法を用いて解析中であり、一部は既に結果が出ており学会発表および投稿準備中である。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
昨年に引き続き、国際誌に原著論文および総説論文を継続的に発表しており、今後も更に研究を進めていけると考えられるため。
|
今後の研究の推進方策 |
既存データからの解析と研究結果発表を継続しつつ、新規のデータ取得も更に進めていく。
|