研究課題/領域番号 |
21K15722
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 順天堂大学 |
研究代表者 |
西岡 将基 順天堂大学, 医学部, 准教授 (00780503)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2022年度: 1,950千円 (直接経費: 1,500千円、間接経費: 450千円)
2021年度: 2,730千円 (直接経費: 2,100千円、間接経費: 630千円)
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キーワード | ミトコンドリアDNA / 一分子解析 / 双極性障害 / ヘテロプラスミー / 死後脳 / m.3243A>G / ミトコンドリア病 / MELAS / 分子バーコード / 一分子シーケンス / 精神疾患 / 気分障害 / ミトコンドリア / 体細胞変異 |
研究開始時の研究の概要 |
ミトコンドリア病における気分障害の合併率や脳神経系でのミトコンドリア機能の重要性から、気分障害の一部に脳神経系のミトコンドリア機能障害が寄与していると考え、「脳ミトコンドリアDNAの体細胞変異が、気分障害(特に双極性障害)に関与している」という仮説を検証することが目的である。分子バーコードを用いたシーケンスにより、双極性障害をはじめとする気分障害の脳神経組織ミトコンドリアDNAの特徴を一分子レベルの解像度で解析し、気分障害の病態理解を進める。
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研究成果の概要 |
双極性障害54名・コントロール54名の死後脳mtDNA解析を行った。アレル割合1%以上のヘテロプラスミー変異と、一分子ごとのミトコンドリアDNA変異率を、ケース・コントロールで比較した。アレル割合1%以上のヘテロプラスミー変異は、コントロールよりケースにより多く、特にrRNAレアヘテロプラスミーに差が顕著であり、ケース6個・コントロール0個と著名な差を認めた。ミトコンドリア病MELASの原因バリアントm.3243A>Gバリアントが、双極性障害2名から検出され、コントロールでは検出されなかった。一方、ミトコンドリアDNA一分子変異率はケース・コントロールで差がなかった。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
m.3243A>Gバリアントは、Nishioka et al. Molecular Psychiatry 2023において双極性障害2名からの検出を報告し、死後脳試料における新たな解析でも、支持的な結果を得た。双極性障害の一部が、ミトコンドリアDNAの稀なヘテロプラスミー変異で説明できる可能性を示唆する。双極性障害におけるヘテロプラスミー変異の濃縮は、ミトコンドリアDNA全体の変異率上昇でなく、効果の高いバリアントがドリフトし、確率的に割合が多くなった結果と考えられ、双極性障害の病態理解に貢献した。ミトコンドリアDNAバリアントによる双極性障害の層別化を示し、今後の薬剤開発の基礎を示した。
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