研究課題/領域番号 |
21K15729
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 京都大学 |
研究代表者 |
今井 必生 京都大学, 医学研究科, 客員研究員 (30758892)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,680千円 (直接経費: 3,600千円、間接経費: 1,080千円)
2024年度: 520千円 (直接経費: 400千円、間接経費: 120千円)
2023年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
2022年度: 1,040千円 (直接経費: 800千円、間接経費: 240千円)
2021年度: 2,340千円 (直接経費: 1,800千円、間接経費: 540千円)
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キーワード | 強迫症 / デジタル / セルフヘルプ / 強迫性障害 / ICT / 治療関係 / 心理療法 |
研究開始時の研究の概要 |
強迫性障害は生活の質を損なう深刻な障害です。治療には認知行動療法という心理療法が有効ですが、治療者・時間の不足と治療を受ける心理的な障壁が問題となっています。本研究では、強迫性障害に対して、自動的に認知行動療法を行えるスマートフォンアプリを開発し、効果を検証します。人を介さない心理療法の治療の基盤がどのようなものかを明らかにして、人員や時間の不足をカバーしてより多くの患者さんに心理療法を届ける研究を目指します。
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研究実績の概要 |
強迫症アプリの第一弾のパイロット結果を得た。忍容性は低く8週時点でのセッション到達率(%)(=進行セッション数/全セッション数×100)は 47.5%, 27.5%, 32.5%であったが、効果は高く、プライマリアウトカムの強迫症症状(Yale-Brown Obsessive Compulsive Scale: YBOCS)変化は、21→6、21→16、18→13で、セカンダリアウトカムである他の強迫症症状(Obsessive Compulsive Inventory-revised: OCI-R)、うつ症状(Primary Health Questionnaire-9:PHQ-9)、不安症状(Overall Anxiety Severity and Impairment Scale:OASIS)のいずれもほとんどの参加者で改善を認めた。独自作成したアプリと患者との関係性の質問では、アプリと患者との間に治療関係が成立しうることが示唆された。この結果をうけて、忍容性を高めるべく、セッション数を減少させた第二版を作成した。その結果、忍容性は高くなり、セッション到達率は81.0%, 85.7%, 100%と高く、効果も高かった。プライマリアウトカムの強迫症症状(YBOCS)は21→15、24→16、26→19と改善した。他のセカンダリアウトカムのOCI-R, PHQ-9、およびQOL尺度でもほとんどの参加者で改善を認めた。アプリと使用者との関係性は、Scale To Assess the Therapeutic Relationship(STAR)で計測したが、いずれも良好な関係性が築けることが結果から示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
パイロット試験は完了したが、まだ無作為化比較試験には入れていない。アプリと患者との関係については尺度を用いた計測はできたが、何が治療関係を成立させているのかまでは明らかにできていない。
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今後の研究の推進方策 |
無作為化比較試験を計画し、実施していく。その中で、アプリと患者の間の関係性に何が最も寄与しているかを明らかにしていく。
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