研究課題/領域番号 |
21K15742
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 群馬大学 |
研究代表者 |
藤原 和之 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (20735154)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2021年度)
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配分額 *注記 |
4,550千円 (直接経費: 3,500千円、間接経費: 1,050千円)
2024年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2023年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2022年度: 910千円 (直接経費: 700千円、間接経費: 210千円)
2021年度: 1,820千円 (直接経費: 1,400千円、間接経費: 420千円)
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キーワード | GABA / 抑制姓神経伝達 / GAD67 / ゲノム編集 / ノックアウトラット |
研究開始時の研究の概要 |
統合失調症は人口の約1%弱が発症する一般的な精神障害である。従来、その治療にはドパミン受容体拮抗薬が用いられてきたが、統合失調症の認知機能障害に対しては十分な有効性のある薬物が存在しないのが現状である。認知機能障害の原因として、近年、抑制姓伝達物質であるGABA系の障害が注目されている。私たちの研究グループは、このGABA系に障害を持つ新規モデル動物・GAD67ノックアウトラットを開発した。本研究では、このGAD67ノックアウトラットの認知機能障害を、遺伝子工学的に回復させることを試みる。そして、統合失調症の認知機能障害への治療応用を目指す。
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研究実績の概要 |
統合失調症は人口の1%が発症する代表的な精神疾患である。その細胞レベルの病態として、GABA合成酵素であるGAD67の発現低下が注目されている。我々は最近、GAD67をゲノム編集法で人工的に欠損させたGAD67ノックアウトラットを開発した。予備的な研究により、GAD67ノックアウトラットは認知機能の障害が示唆されている。
本研究では、このGAD67ノックアウトラットの認知機能プロファイルをより精緻に解析、明らかにする。また、GAD67ノックアウトラットの認知機能障害をはじめとする様々な行動学的異常を、治療することができるのか否かを解析する。
初年度である2022年度は本研究で用いる認知機能評価系の確立を行った。GAD67ノックアウトラットの「物体の再認」と「位置の再認」が同等に行えるのか、それとも両方とも障害されているのか、片方のみ障害されているのかをObject recognition taskとObject place recognition taskを用いて解析した。どちらの課題も10分間の物体提示を行い、24時間のインターバルを置き、5分間のテストを行った。その結果、物体の再認はGAD67ノックアウトラットも野生型ラットも同等の成績を示した。一方、位置の再認については、GAD67ノックアウトラットは成績が顕著に低下していた。これらの所見は、GAD67ノックアウトラットの認知機能障害が、物体の同定よりも空間認知において顕著であることを示している。この結果は、我々の予備的な報告(Fujihara et al., 2020)と整合的である。このタスクは、以前我々の研究で実施した8方向放射状迷路よりも簡便に実施することができるため、GAD67レスキュー実験の評価系として適していると考えられた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
認知機能の評価系は順調に確立できたため順調と判断したが、GAD67分子をレスキューするためのGAD67-FLExラットの確立には至っていないため、やや遅れていると判断した。
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今後の研究の推進方策 |
GAD67ノックアウトラットは66%が離乳前に死亡するため、実験に必要な個体の確保に繁殖の労力・コストを要する。そのため、GAD67ヘテロノックアウトラットで代替可能かどうか、ヘテロノックアウトラットではどの程度の行動学的異常を示すのかについても解析を進め、効率的に実験を進められるよう工夫したい。
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