研究課題/領域番号 |
21K15746
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 鹿児島大学 |
研究代表者 |
佐々木 なつき 鹿児島大学, 医歯学域医学系, 助教 (30755252)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
完了 (2023年度)
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配分額 *注記 |
4,290千円 (直接経費: 3,300千円、間接経費: 990千円)
2023年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2022年度: 1,300千円 (直接経費: 1,000千円、間接経費: 300千円)
2021年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
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キーワード | 有棘赤血球舞踏病 / VPS13A / chorein / 脂肪輸送 / リポファジー / オートファジー |
研究開始時の研究の概要 |
有棘赤血球舞踏病(ChAc)は多彩な精神症状を頻度高く生じる稀な遺伝性神経変性疾患である。ChAcの分子病態は病因遺伝子VPS13Aの遺伝子産物であるchoreinの機能喪失が関連している。ChAcモデルマウスと野生型マウスの脳を用いて、オートファジー機構とchoreinの関係について明らかにし、中枢神経系におけるchoreinの分子機構と、その破綻による多彩な精神症状を呈する分子病態への関与を明らかにしたい。
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研究成果の概要 |
Choreinとの相互作用が確認されたタンパク質はmyosin VIと相互作用し細胞内カルシウムイオン制御に関わっており、オートファジーとの関連が報告されている。RNAiによってVPS13A遺伝子をノックダウン(VPS13A-KD)したHEK293細胞ではML-SA1刺激によりカルシウム濃度が上昇した。これらからオートファージー障害によるカルシウム濃度上昇が有棘赤血球舞踏病の分子病態の一つである可能性が示唆された。また、細胞飢餓状態においてVPS13A-KD細胞の脂肪輸送障害やβ酸化障害を認め、ChAcの分子病態には、脂肪酸が動員されるプロセスであるリポファジーの障害の存在が示唆された。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究では、オートファジー関連タンパク質とchoreinが相互作用し、そのchoreinの障害によって細胞内カルシウム濃度上昇しており、ChAcの神経細胞死の分子病態の一つである可能性が示唆された。また、ChAcの病態にオートファジーの中でも脂肪滴動員に関与するリポファジー障害が関与している可能性が示唆された。ChAcは精神症状を高率に呈する神経変性疾患であり、これらの新規細胞障害機構が精神疾患の病因にもなっていることが示唆された。ChAcの病態は精神疾患の病態に関わる可能性が高く、さらなる研究が望まれる。
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