研究課題/領域番号 |
21K15756
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研究種目 |
若手研究
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配分区分 | 基金 |
審査区分 |
小区分52030:精神神経科学関連
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研究機関 | 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター |
研究代表者 |
小林 桃子 国立研究開発法人国立精神・神経医療研究センター, 精神保健研究所 精神薬理研究部, 研究生 (30837274)
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研究期間 (年度) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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研究課題ステータス |
交付 (2022年度)
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配分額 *注記 |
3,640千円 (直接経費: 2,800千円、間接経費: 840千円)
2023年度: 1,690千円 (直接経費: 1,300千円、間接経費: 390千円)
2022年度: 1,170千円 (直接経費: 900千円、間接経費: 270千円)
2021年度: 780千円 (直接経費: 600千円、間接経費: 180千円)
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キーワード | 統合失調症 / WDR3タンパク質 / ノックアウトマウス / 発現特性 / 自発運動量 / 疾患感受性 / 海馬 / 認知機能 / WD repeat domain 3 |
研究開始時の研究の概要 |
申請者らの先行研究において、統合失調症関連遺伝子WDR3は海馬依存的な認知機能へ影響している可能性が示唆された。しかし、中枢神経系におけるWDR3の役割及び海馬依存的な認知機能障害の新規創薬ターゲットになり得るかどうかを判断するための知見は十分に得られていない。そこで本研究では、WDR3遺伝子発現量と認知機能との関連を、ノックアウトマウスを用いた行動試験及び分子生物学的解析により評価し、最終的に統合失調症における認知機能障害に関連する可能性のある因子を明らかにする。
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研究実績の概要 |
申請者らの分子遺伝学的研究において、女性の統合失調症との関連が認められたWD repeat domain 3 (WDR3) 遺伝子について、Wdr3遺伝子欠損マウスを用いた分子生物学的・生化学的・行動学的解析を行った。 本年度は、申請者の先行研究課題 (2019-2020年度,若手研究課題)において報告をした ① WDR3ホモノックアウトマウスは出生しないこと、② 新規抗マウスWDR3抗体の有効性の評価、③ WDR3の脳領域ごとの発現解析に加えて、④ WDR3ヘテロノックアウト (WDR3-HKO) マウスの視覚機能および自発運動量の評価をまとめ、中枢神経系におけるWDR3の基本的な発現特性および遺伝子欠損による影響をBrain Research 誌に報告をした (Kobayashi-Tanabe et al. Brain Res. 2023)。WDR3-HKOマウスは、オープンフィールド試験において僅かではあるが総移動距離が有意に増加しており、自発運動量が亢進している可能性が示唆された。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
申請者の主要研究拠点が変更になったことにより、当初の計画からは遅延が生じたが、本年度の研究目標は概ね達成することができた。
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今後の研究の推進方策 |
WDR3-HKOマウスの認知機能およびNMDA受容体遮断薬であるMK-801感受性試験の評価については、現在投稿準備中である。 MK-801を投与した際のWDR3-HKOおよび野生型マウスの脳サンプルは採取済みであり、本サンプルを用いてRNA-seq解析を行うことで、行動表現型のみならず、統合失調症関連分子群へのWdr3欠損の影響を明らかにする。
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